宝塚歌劇団の雪組人気スター朝美絢(あさみ・じゅん)が12日、大阪・梅田芸術劇場で、全国ツアー初主演となる雪組公演「仮面のロマネスク」「Gato Bonito!!」の初日を迎えた。

雪組メンバーを率いて全国を回っては、初のセンター。芝居、ショー2本立ての3時間を終えて「体感10秒です」と、緊張の1日を振り返った。

朝美は星組トップ礼真琴、花組トップ柚香光、月組トップ月城かなとらと同期の95期。圧倒的な美貌で下級生時代から注目されたスターが、初の全国主演作で演じたのは、希代のプレーボーイだった。

フィナーレでは、副組長の透真かずきから「美しすぎる男です」と紹介され、ショーの鍵ゼリフにひっかけて「ニャー」。客席のハートをつかみ「(2作とも)雪組100年の歴史の中で上演された大切な作品です。諸先生、諸先輩方に敬意を払いながらつとめて参りたい」とあいさつした。

「仮面の-」は、宝塚では97年に高嶺ふぶき、花總まりで初演され、以後も再演が重ねられてきた故柴田侑宏氏の名作。相手役は、雪組トップ娘役の夢白あやが務めた。1830年のフランス宮廷を舞台に、女性たちを次々ととりこにしていく美貌の青年貴族ヴァルモンと、メルトゥイユ侯爵夫人との「大人の恋の駆け引き」を描いた。

ショー「『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」は、18年の雪組公演で上演された演目の全国ツアー版。ポルトガル語で「美しい猫」を「ガート・ボニート」をイメージしたラテン・ショーとなった。

芝居を終えたショーの中盤あたりで、朝美は「ここまで体感5秒。朝からドキドキ」とコメントをはさみ、3時間すべてを完走すると「ここまできて、体感10秒でございます」と言い、ファンを笑わせた。

ツアーは、梅田芸術劇場で15日まで、5月6日の愛知県芸術劇場大ホールまで全国9カ所を回る。

朝美は「5月の名古屋千秋楽まで皆さまとともに駆け抜けたい」と誓っていた。