宝塚歌劇花組公演「アルカンシェル-パリに架かる虹-」(14日~5月26日)の通し舞台稽古が13日、東京宝塚劇場で行われた。同作で、トップ柚香光、トップ娘役星風まどかが千秋楽をもって退団する。

ナチスドイツ占領下のパリを舞台に、抑圧されながらも劇場を守り、エンターテインメントを届けようとする人々を描いた物語。

ダンサー役の柚香は「あらためて、少しでもお客さまに何かが届くようなエネルギーのある舞台ができるように、作品にいちから向き合っています。いろんな発見、探求心、課題もたくさん見つかってきます」と話した。

ジャズ、ラテン、クラシカルなダンスなどさまざまな種類を踊るところも見どころ。柚香は「いろんなタイプのナンバーを見ていただけるのはうれしいです。自分の踊りとは、お客さまに何をお届けしたいのか、踊りを極めていく研さんを積むことに対する意識も、学ばせていただくことが今も毎日ありますので、こういったお役を最後にいただけたことはうれしいです」とした。

また、コロナ禍の中でトップとして過ごしてきたことを振り返り「(主人公の)マルセルは自分のダンスをどう極めかということも大きな夢ですが、劇場に来てくださるお客さまに喜んでいただけるものを作りたいという思いで心を満たされどんどん成長していく。私も何よりお客さまが一番であるということをすごく温かく感じた期間でしたので、つながるなと思います」と、主人公と自分を重ねた。

歌姫を演じる星風は「退団公演ではあるんですが、さらに千秋楽に向けて高みを目指して、という段階をちゃんと踏めるように心がけて大切に演じていきたいと思います」と話し、柚香とのデュエットダンスについて「幸せです」と笑みを見せた。