米大ヒット映画「ハリー・ポッター」シリーズの原作者として知られる作家J.K.ローリング氏(58)が、トランスジェンダーに関する議論を巡って、ハリー役を演じた俳優ダニエル・ラドクリフ(34)とハーマイオニー役の女優エマ・ワトソン(33)を「許さない」と述べた。

ことの発端となったのは、2020年にローリング氏の「トランスジェンダーの女性は女性ではない」発言に対し、ラドクリフやワトソンら出演者が反論コメントをSNSに投稿し、トランスジェンダー支持を表明していたことだった。

最近になって、英国の国民保健サービス(NHS)が発表したトランスジェンダーの若者に対するジェンダーケアに関する調査報告書で、医療提供者のジェンダーへの介入が長期的にもたらす結果に関して良いという証拠はないと結論付けたことに、ローリング氏は激怒。

「医療関係者だけでなく、代弁者的な著名人、疑いを持たないメディア、冷笑的な企業」によって子どもたちが取り返しのつかない被害を受けているとX(旧ツイッター)で非難した。

こうした中、ファンの「ラドクリフとワトソンが公の場で謝罪し、彼らを許すことを信じている」と和解を期待する投稿に、ローリング氏は「残念ながら、それはありません」と返信。女性が苦労して勝ち取った権利を侵すような運動に同調し、未成年者の性転換を支援するために自分たちのプラットフォームを利用したセレブたちには謝罪しないとの立場を示した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)