昨年5月3日の80歳の誕生日をもって歌手を引退したタレント橋幸夫(80)が15日、都内で、歌手復帰を表明する謝罪会見を行った。

会見を行った理由について橋は、ファンの存在が大きかったことを明かした。昨年の歌手引退後、ファンから手紙が届いたり、妻を通して直接会いに来るファンも多く「また歌声を聞きたい」という声に心を揺さぶられ、歌の世界に戻る決断を下した。

ただ、“引退宣言”済みだったこともあり、周囲やファンへ謝罪する意向を固めたという。「80歳で歌を辞める決意をしたのでほとんど歌う場所はありません。会いに来てくれる人(ファン)の話を聞いて、引退会見やったことは間違いだったかなと。反省しきりでした」と、ここ1年間の日々を回顧。「歌を歌うことが一番の使命だったんだ、と」と自身の生きがいである歌と、あらためて向き合った。「降りたやつがまた戻ってきたと、たたかれるかも知れませんが、それは社長にお任せしながら…」と周囲の力も借りながら、いばらの道を進んでいく覚悟を示した。復帰コンサートは、26日の「橋幸夫フィルムコンサート&トークショー」(大宮ソニックシティ)。

かつて、引退理由について「コロナ禍で歌う場がなくなり、のどの筋力が衰えて、ある音程にいくと声がガラガラするようになった。専門の病院で元に戻るか難しいと言われた。僕は自分をごまかしたりするのは性格的に合わない」と説明していた。現在もボイストレーニングなどを積んでいるという。「80を超えて幾つまで声が出なくなるのかっていうのはしてみたいなと思います」と意欲は絶えないようだった。

21年12月から23年5月にかけ、全国でさよならコンサートを119カ所で開催。最終公演では、引退撤回を促す声に「決めたことは絶対に守る」と話していた。所属事務所によると、歌手を引退した後は、書画個展を開催したり、タレント活動を行っていた。

「橋幸夫」の名前と歌を継承するためのオーディションで選んだ歌手「二代目橋幸夫yH2(ワイエッチツー)」は昨年9月に初ライブを行っている。2代目の活動は、継続していくといい、ステージで橋が歌えない歌を2代目がカバーする形で歌っていくという。橋は「最近は(2代目を)褒めることも増えてきた。どっちも中途半端って言う人もいるかも知れませんが、それを超えてまた私の最後の人生として頑張って頂ければならない、そうさせて頂きたい」と語った。