福士蒼汰（30）と松本まりか（39）が16日、都内で行われたダブル主演映画「湖の女たち」（大森立嗣監督、5月17日公開）完成披露試写会で、所属事務所・研音の先輩で共演の財前直見（58）から「ラブ、目覚め？」とツッコまれた。福士は思わずのけぞったが、松本は「福士君が怖くって。畏怖の存在…怖い＝嫌い」と答え、観客を笑わせた。

「湖の女たち」は、13年にモスクワ映画祭で審査員特別賞を受賞した「さよなら渓谷」同様、作家・吉田修一氏の小説を大森立嗣監督（53）が脚本まで手がけ、実写化。撮影は22年10月から23年2月にかけ、滋賀県の琵琶湖周辺を中心に行われた。福士は、琵琶湖近くの介護施設で百歳の老人が死を遂げたのは人工呼吸器の誤作動による事故か、それとも何者かによる殺人か？　と捜査にあたった西湖署の若手刑事・濱中圭介を、松本は圭介が取り調べで出会い、ゆがんだ支配欲を抱いていく介護士・豊田佳代を演じた。

財前は、福士が演じる圭介と、浅野忠信（50）演じる圭介を追い込むベテラン刑事の伊佐美佑から、強引な取り調べを受けて心身ともに追い詰められる介護士・松本郁子を演じた。

財前は、福士と松本に向かって「1つ、聞いて良い？　2人はデキているの？　この映画でラブ、目覚めたとか、そんななかったの？」と唐突にツッコんだ。福士が、思わずのけぞり「どこの2人に言っています？　俺と浅野さん？　俺と監督？」と答えると、財前は「こっち（松本と）に決まってるでしょ？」と笑った。

福士と松本は「仲が悪かった。（役どころ上）現場で、ひと言もしゃべらなかった」と口をそろえた。福士は「1カ月半前までは、メチャメチャ嫌われていたみたいで『嫌いでした』みたいな。お互い、勘違いしていて」と苦笑した。松本も「福士君は、初めましてでしたけど、支配されるのがあって…。福士君が怖くって。畏怖の存在。怖い＝嫌い全然、優しくしてくれないし、笑顔も見たことがないし、プライベートも知らない。この方は、本当にこういう人だったんだと」と、福士にネガティブな印象を抱いたと明かした。

最近になって、本作について2人で取材を受ける機会が巡ってきたが、松本は「（撮影後の）1年半、そのままでいた。2人での取材と言われたが『合わないから話できない、バラエティー番組で一緒は、どうだろう？』と」と答えたという。ただ、福士から「実際、会ったらどうですか？」と聞かれると、松本は「（気が）合うんですよ…お姉ちゃんがいるみたいで、女の子の扱いが上手」と笑みを浮かべた。さらに「何の壁もないくらい、メチャメチャ、ナイスガイなんだ、と。でも、映画の中の（福士が演じた）圭介は、嫌いですけど本当に魅力的ですし、素晴らしい」と絶賛した。福士は「語弊があるな、扱いと言うと…」と笑った。

財前は、福士について「福士君は、大学生の時から知っていて…最初の尋問のシーンから始まって、こいつ、憎らしいなと思って、リハーサルでわざとセリフを言わなかった。知っているから成長された、こういう表情をするんだと」と、独特の言い回しで福士の成長ぶりを絶賛。「成長を見届ける感じもあったし、浅野さんとの芝居をやればやるほど良くなった」と撮影中にどんどん変わっていったと指摘し「顔つきが変わった。最後の方は、ちゃんと役の人になっていると思った。一皮も二皮もむけたな…大人になったなと思った。お母さんみたい」と褒めて、笑みを浮かべた。