女優石原さとみ(37)が16日、都内で、5月17日公開の映画「ミッシング」(吉田恵輔監督)完成披露試写会の舞台あいさつに出席した。22年の出産後、映画初主演作となり、約100人の報道陣が集まる異例の事態となった。

同作は、失踪した愛娘を探す家族の苦悩や事件を追うマスコミや世間の好奇な目にさらされる葛藤を描いた社会派作品。石原は愛娘を必死に探す母・森下沙織里を演じる。

冒頭あいさつの直前、夫役の青木崇高と目を合わせると、すでに感極まった様子。意を決して客席に向かうと「皆さん、今日はお集まりいただき…早い!」と言葉を詰まらせた。その後は声を震わせながら「私の夢が詰まった作品を届けられるのが心の底からうれしいけど、怖い部分もあります」と葛藤ぶりをうかがわせた。

7年前、女優として「このままではいけない。自分を壊してほしいと思っていた」という石原。吉田監督の作品と出会い「この人だったら私を変えてくれると思って、人づてにたどり着いて直談判したけど、1度断れました」と明かした。「その後3年間連絡なしでしたが、本ができましたと連絡をもらい、妊娠出産を待ってくれて撮影をして、今こうしお届けできるのがうれしいです」とした。

吉田監督は断った理由を「石原さんの華が苦手だった」とした。だが、「でも石原さんを自分の世界に引きずりこめないかなと。みんなの知らない石原さとみを描けたと思っています」とアピールした。

石原は最後に「宝物のような作品です。この作品が転機といえる作品です。優しい光が必ずありますので、誰かに届けていただけたらうれしいです」と声を震わせながらアピールした。 この日、吉田監督、青木、沙緒里の弟土井圭吾役の森優作、報道記者砂田裕樹役の中村倫也、砂田の同僚三谷杏役の小野花梨、細川岳も登壇した。