今年の主演男優賞には「国宝」(李相日監督)「ババンババンバンバンパイア」(浜崎慎治監督)の吉沢亮(31)が輝いた。11月22日に東京・築地の日刊スポーツ本社で開催した、選考会での議論を公開する。(選考委員は敬称略)

<主演男優賞ノミネート>

吉沢亮(31=「国宝」「ババンババンバンバンパイア」)

妻夫木聡(45=「宝島」)

木村拓哉(53=「TOKYOタクシー」)

北村匠海(28=「悪い夏」「愚か者の身分」)

山田裕貴(35=「木の上の軍隊」「ベートーヴェン捏造」「爆弾」)

 

伊藤さとり(映画パーソナリティー) 吉沢亮さんは、ずっと見てきて、ずっとうまいと思っていた。うまい、ということが、やっと世の中で認められた。演技力があって、ストイック。何より俳優は、色気があるとスクリーンが映える。「国宝」は、吉沢さんじゃなきゃ、ダメだった。他の人だと薄まると思っちゃうくらい。

品田英雄 (日経BP総研客員研究員)もし「国宝」をアニメやCGで作ったら、感動しなかったと思う。(歌舞伎においては)素人の吉沢さんが、あそこまでやる。実写映画って、こういうものかと思いました。

福島瑞穂(参院議員) 吉沢亮さんは、ものすごく時間をかけ、あそこまでやるのに努力をしている。(演技はもちろんのこと)その努力にも、賞をあげてもいいじゃないか? 山田裕貴さんも、すごく頑張っていると思います。

駒井尚文(映画.com編集長) 「国宝」は、イケメンが女形を演じたことでファンは喜ぶし、絶対に見に行く。実際に見たら良かったからと、今度はお母さん、おばあちゃんと行く。そうした広がり方をしたのは見事だった。その後「ババンババンバンバンパイア」も公開されるなど、いろいろな話題があり、2025年は吉沢さんの年だった。

福島 「国宝」では(吉沢亮が演じた立花喜久雄の少年期を演じた)黒川(想矢)さんも色っぽいですね。

笠井信輔(フリーアナウンサー) 山田裕貴さんの今年の活躍も、捨て置けない。「木の上の軍隊」の芝居が、ものすごく良くて。堤真一さんとのダブル主演で、どっちがコケてもダメな中、支えていた。「ベートーヴェン捏造」も、ばかばかしいが、幅が広い。

寺脇研(映画評論家) 北村匠海さんは主演作の2本のうち片方(「悪い夏」)では小役人、もう片方(「愚か者の身分」)では、闇ビジネスに手を染めた若者を演じ、物語ではヤクザや生活保護が描かれる。賃金が上がらなかったり(社会から)認めてもらえない中で(主人公が)生きていく話で、描かれているのは今の日本の政治状況。私の(映画評論家としての)師匠の白井佳夫さん(元キネマ旬報編集長で24年10月に死去)が言っていたのが「今という時代を考えろ。その中にあるのが映画だ」と。2025年は参政党が人気が出て、若い子が(街頭演説などに)行っちゃう社会。北村さんは、そんな2025年の日本を演じていたなと思う。

神田紅(講談師) やっぱり、吉沢亮さんの顔が「国宝」。見ているだけでうれしい。私は、これでも日本舞踊の師範なんですが、1、2年で、あそこまで踊れるようになるのは、ものすごい努力。まず、カメラも日本舞踊で一番うまく見えるようなところを撮っているのだけど、動きが下手だったら、あそこまでの映像を撮るのは無理。やっぱり、素養もないと、あそこまではできなかったと思う。「ババンババンバンバンパイア」も、すごく弾けていました。

<投票1回目>

◎吉沢亮 12

山田裕貴 2

北村匠海 1

※過半数の8票を得た作品、俳優が受賞

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