俳優とフォトグラファー“二刀流”の古屋呂敏(35)が活躍の場を広げている。
1月期の連続ドラマ3本に出演中。初主演映画「愛のごとく」(井土紀州監督)が1月23日に公開され、4月には舞台初挑戦が控える。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ、フル回転の日々を語った。
週に3回、全く異なる役で地上波に映る。TOKYO MX「教えてください、藤縞さん!」(金曜深夜1時35分、DMM TVでも配信中)では無愛想なイケメン銀行員役で主演。読売テレビ「親友の『同棲して』に『うん』て言うまで」(月曜深夜1時29分)では写真館の店長、テレビ朝日系「ぜんぶ、あなたのためだから」(土曜午後11時)ではWEST.藤井流星(32)演じる主人公の幼なじみ役を務める。
すべて放送で“復習”する。「どういう見え方をしているかだったり、監督の意図など、やっぱり一緒に仕事をしていく上で見たいなっていうのがあるので」。反響も確認している。
複数作品の撮影時期が、並行することも。昨秋クールと今クールのドラマが重なった時は「今どこで何やってるんだろう自分」といっぱい、いっぱいになった。同時に「忙しければ忙しいほどうれしい。こういう環境に憧れを持っていたので、ようやくスタートラインに立ってるなっていう実感がありました」と充実の表情を浮かべた。
役者とフォトグラファー、2つの肩書を持つ。仕事量は「50、50くらいの割合」という。「親友の『同棲して』に『うん』て言うまで」ではキービジュアル撮影を担当。「ぜんぶ、あなたのためだから」ではカメラ監修、空間デザイン、劇用写真撮影担当を兼務した。「しめちゃん(七五三掛龍也)がカメラマンの役をやってるんですけど、彼がカメラをいじるシーンは僕が監修します。アトリエの内装のコーディネートもさせてもらいました」。加えて、劇中の結婚式の写真もすべて撮影した。
撮影する側だけの日、監修だけの日もあるが当然、全部やる日もあった。早朝4時に現場入りし、フォトグラファーとして写真を撮って、急いでメークして衣装に着替え、役者としてインする。「カメラをやってる時の方が素の自分に近いので、役者の時だけスイッチをぐっとオンにする感じです」と、裏方から演者へ自在にギアをシフトする。
写真に引かれたきっかけは、モデルとして輝かせてもらった経験からだ。「あか抜けてない、いなかの男だったんですけど、フォトグラファーさんとスタイリストさんのおかげなんでしょうね。雑誌の中にいる自分がすごくキラキラして見えたんですよ」と職人技に興味を持った。「自分がしてもらったように、誰かをかっこよく見せたり、かわいく見せたりできたら楽しいだろうな」。現場で会うカメラマンに教えてもらいながら学びを深め、仕事につながり始めた。
撮る、撮られる。両方の視点を持つことで、ニーズをくみ取れるようになってきた。「物作りをしたら、1つのものが作られるのにどれだけの人が関わって、どれだけのお金が使われているのか知りますよね。それを知った上で表に出るのと、考えずに出るのとでは心構えが違う」。
ハングリーで、自分の心が躍るものに対して前向き。「自分が携わった作品で何かを伝えられる人になりたい。そこは歯を食いしばってやってます。見た人が何かを感じ取ってくれるようなところにいくには、まだ程遠い」。出演作の反応をチェックするのも、そんな思いがあるからだ。「出始めたばかりなんで、悪口がそこまでないんです。エゴサして悪口多くなってからじゃないですか、勝負は。まだそこまでリーチされてない。自分に興味がない人が自分を目にしてからがなんぼだと思ってるんで。へこみはしますけどね、もちろん」。
“目にされる機会”は増え続けている。2月末からはニコンの子会社、ニコンイメージングジャパンが運営するウェブメディア「NICO STOP」公式YouTubeで、主演ショートドラマ「ひかりと、まばたき。」の順次公開が始まった。谷崎潤一郎原作の「春琴抄」(4月27日開幕、新国立劇場小劇場)で舞台初挑戦も決まっている。
これまでは映像の仕事が多かった。「全く別のものに挑戦する。怖さと、これを乗り越えたらどう変化できるんだろうっていう喜びと、両極で気持ちが高まってます」。演じる鴫沢てるは女性で「初舞台で女性役で新国立劇場。とんでもないきつさを自分にかけた」と笑う。「きっと毎日悔しいと思うんですよ。でも見に来る人は、僕が初めてとか関係ない。その作品を見に来るから、僕はそこまで自分を押し上げる責任がある。いただいた場所で、自分なりの花を咲かせればいい」とやりがいに変える。
もっともっと、二刀流の両輪をブラッシュアップしていきたい。「他の役者ができないことでも、求めてもらえるんだったら全然やるっていう意識でやってます。ドラマ、映画も撮りたい。監督もいつか必ずやると思うんですよ。いろんなテクノロジーが発展して、AIが20分で映画つくるようになると思うんです。そういう時代に役者として、クリエーターとしてどう戦っていくか。ちゃんと考えて、今後やっていきたいなと思いますね」と締めた。【鎌田良美】
◆古屋呂敏(ふるや・ろびん)1990年(平2)6月2日生まれ、京都府出身。高校卒業後、ハワイ州立大に進学。23年TBS系日曜劇場「VIVANT」に堺雅人演じる主人公の部下・水上了役で注目を集める。22年に初の写真展、23年に第2回写真展を開催。米国でドローンを商用に飛ばせる資格「FAA part107」を取得している。183センチ。血液型B。



