生まれつき全盲のシンガー・ソングライター佐藤ひらり(24)が11日、東京・品川区の春雨寺夢ホールで、東日本大震災からの復興を願うチャリティーコンサートを行った。震災で津波を被った「奇跡の一本松」の木片から作ったバイオリンとコラボレーションをした。

初めて作詞作曲した「みらい」の歌唱時には、「東日本大震災がきっかけで作った曲です。あの時、目の見えない私ですが、テレビやラジオからは想像もできないようなことが聞こえてきた。小さな自分だけど何かできることはないか。そして曲を作りました。目に見えていることは大変なことだけど、心の目を開いたら明るい未来が待っているはず。そんな思いを込めて作った曲です」と説明した。

美空ひばりさんの「愛燦燦」では「5歳の時、初めて好きになった歌手がひばりさんです。皆さんにも愛が燦燦と輝くように願って歌います」と曲紹介をした。

この日のピアノは約80年前の原爆投下時に被爆したもので、広島から運んできたという。「昨年12月にも都内で“被爆ピアノ”でコンサートを行いました。その時に、震災も戦争もどちらも平和に帰結すると思い、3月11日に『被爆ピアノで歌いたい』との思いが強まったんです。歌ったり笑ったりおいしいご飯を食べたり。そういう当たり前のことが当たり前であることが平和だと思います」と話して、福山雅治の「想望」を歌唱した。

終盤では“津波バイオリン”を演奏するバイオリニスト西垣恵弾氏(51)と、さだまさしの「いのちの理由」をセッションした。

「今日は一生忘れられない体験ができました」。佐藤は笑顔でコンサートを締めくくった。