96年の放送開始以来、アニメ「名探偵コナン」の毛利蘭役を務めてきた声優、山崎和佳奈さんが亡くなった。61歳の若さだった。
12年前になるが、映画「異次元の狙撃手」の公開を前に、コナン役の高山みなみ、毛利小五郎役の小山力也と3人の座談会をお願いしたことがあった。原作コミックの連載開始20周年を記念して発行された「コナン新聞」の企画である。
座長として仕切り役となった高山、放送開始以来の仲間としてそれをしっかり支える山崎さん、まだシリーズ参加4年半目(当時)でムードメーカーとして「ボケ担当」を引き受けた小山…座談会はプロ意識に徹しながらも、和気あいあいとした収録現場の雰囲気を想像させた。うらやましくなるほどのチームワークが感じられた。
長らくやっているからこそ分かるキャラクターの変化についての話が興味深かった。
山崎 作画の感じが変わってきたのに(声を)合わせてという話はしますね。
高山 (原作者・青山剛昌)先生の絵も変わってきているからね。
山崎 大人っぽくなってきているというか、シリアス路線になっています。昔はもっとマンガマンガしていましたよね。
高山 (コナンは)少し丸くなってきたかなあ。
山崎 (蘭役の)私の場合はツノはとんがってきてるけど(笑い)
当時19年目にさしかかっていた蘭役への思いも明かした。
山崎 やっぱり長いですからね。やっているうちに、もう他人じゃなくなってるって気がします。
小山 僕が言うのもなんですけど、すごいですよ。(劇中の動きを意識して)殺陣もやっているし。
高山 中国憲法もやってる。
小山 ダンスも。
山崎 アニメって戦うことって多いじゃないですか。自分の中で臨場感が持てるようになるかなって思って、体を動かすようにしておこうと始めたんです。ト書きにあるような動きを自分でやってみる、というのをやってます。
高山 すげえ(笑い)
山崎 いやいや、実際はついていけてないんですけど。
冗談めかしたやりとりからも山崎さんの生真面目さと互いに抱き合う敬意が伝わってきた。コナン人気についても山崎さんなりに分析していた。
山崎 ちっちゃくなっちゃったっていうストレスがコナン君にはある。見ている人たちにとっては、自分はその秘密を知っているという形でストーリーに関われる。大丈夫かなと思いながら推理していく。その辺が面白いんじゃないかな。カワイイから女の子ウケするし。
蘭役を続ける意義も。
山崎 だんだん年齢が上がってくると、昔に比べて若い役をやることもなくなるし、ナレーションが多くなってアニメが少なくなる。そういう中でずっと「コナン」をやり続けていると、そこに基準があるというか、一番若い部分がそこにあるというか。貴重ですよ。
そんな貴重な若いままの声を残し、逝ってしまったことが改めて惜しまれる。【相原斎】



