女優沢尻エリカ(24)が、合意間近だった大手芸能事務所エイベックス・マネジメントとの契約が白紙になる可能性が出てきた。15日、関係者への取材で分かった。

 エイベックスが、未所属の沢尻についての声明を発表した。正式な取材窓口が見当たらない報道陣に対し、せめてもの受け皿になろうと異例の対応を取った形だ。1カ月前から契約に向けた具体的な進展は何ら得られていない。淡々とした文言からは、契約が遅々と進まないいらだちが、浮かび上がっていた。

 かつての沢尻は、勝手に結婚を決めて長期休業するなど、わがままに振る舞った末に、昨秋に大手芸能事務所スターダストから「重大な契約違反があった」と解雇された。通例では、大手芸能事務所とのトラブルで解雇されたタレントを救う、別の大手芸能事務所は出てこない。ところが、4月にエイベックス松浦勝人社長がツイッター上で「エリカ様がavexならな~ゼッタイ売る自信があるんだけど…」と表明した。浜崎あゆみらのスターを育てた松浦氏が、沢尻の才能、知名度、商品価値を見込み、芸能界の慣例を破ってまで「再生工場」として名乗り出た。

 “拾う神”が現れても、変わらず度重ねる暴言とトラブルでは、結べる契約も結べなくなる。華原朋美、元極楽とんぼ山本圭一ら、才能豊かでもトラブルメーカーのために、復帰がかなわないタレントは多い。大手芸能事務所2社でも制御できないとなると、いよいよ沢尻に手を貸す人はいなくなる。【音楽担当・瀬津真也】

 [2010年10月16日8時19分

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