萬屋錦之介、淡路恵子の長男で俳優の島英津夫(51)が「萬屋錦之助一座

 ざ☆よろきん」を旗揚げし、第1回公演「纒(まとい)若衆~木遣り唄」(7月4~12日)を東京・池袋のシアターグリーンで上演することが16日、分かった。

 島は淡路とフィリピン歌手ビンボー・ダナオの長男として生まれ、66年に淡路が中村錦之助(後に萬屋錦之介と改名)と再婚。義理の息子となった。その後、淡路と萬屋に2人の息子が生まれたが、実子の三男は90年にバイク事故で亡くなり、元俳優の四男も10年に亡くなった。

 「僕は義理の息子ですが、萬屋の血を引く2人の弟が亡くなった。若い人には萬屋錦之介を知らない人も多く、このままだと萬屋の名が埋もれるという危機感もありました」

 島は「鬼平犯科帳」などドラマ、映画で父子共演している。父を慕う思いは今も強く、周囲からも「錦ちゃんの名をまた出してよ」と言われ、劇団の旗揚げを決意した。

 ただ、萬屋は87年に淡路と離婚、元女優甲にしきさんと再々婚したこともあり、「萬屋錦之助一座」と義父の前名・中村錦之助と萬屋錦之介をミックスした名称にした。今回の公演は座長として裏方に徹し、時代劇を目指す。「萬屋といえば時代劇。追善という柄でもないけど、父が愛した時代劇を絶やさないよう頑張りたい」。母の淡路も「名前が出ることはいいことよ」と応援しているという。【林尚之】

 ◆島英津夫(しま・えつお)1961年(昭36)1月15日、東京生まれ。76年に萬屋主演のドラマ「破れ傘刀舟悪人狩り」で俳優としてデビュー。その後もドラマ「柳生一族の陰謀」、映画「赤穂城断絶」などで父子共演し、「海は知らない」で歌手デビューもしている。著書に「親父の涙」がある。