<連載「気になリスト」(42)>

 俳優・柄本時生(24)が、来年1月14日スタートのフジテレビ系連続ドラマ「福家警部補の挨拶」(火曜午後9時)に出演する。主演檀れい(42)演じる女性警部補に、こき使われる鑑識係。檀、稲垣吾郎(40)に次ぐ3番手だ。「檀さんはきれいで草原が似合うイメージ。稲垣さんは、やっぱりSMAP。カッコイイ」と笑顔を見せる。

 父・柄本明(65)母・角替和枝(59)兄・柄本佑(たすく=27)の俳優一家。「子供のころはプロ野球選手、ラーメン職人、宮大工のどれかになりたかったですね。役者のイメージはなかった」。きっかけは、兄の代打。「兄ちゃんが高校2年の時に、小学6年の役が来た。身長が180センチあったから、さすがに無理。で、代打でオーディション」。映画「すべり台」のオーディションに受かってデビュー。「中2で身長144センチと小さかったんだけど、小学6年の役は微妙だった」と振り返る。

 父の明とは06年にNHK大河「功名が辻」で共演した。「現場に自分のオヤジがいる。嫌ですよ、恥ずかしくて」と笑う。父からは「声を探せ」と言われている。そのひと言に、父の限りない愛情を感じている。「(母の)和枝ちゃんは『ガキが何言ってるんだ』って感じ。それだけ」。両親は毎朝、地元の東京・下北沢で犬の散歩をして、喫茶店でお茶をする。「下北辺りじゃ有名。仲がいいんです」。兄の佑のことは「大好き。兄ちゃんはスター。超ブラコンです」。愛情いっぱい、家族いっぱいで真っすぐに育ってきた。

 高2からバイトをしてきた居酒屋に、まだ籍を置いている。「チャンスがあれば、入って働きたい」と言う。「こういう仕事をしていると、現場で椅子やコートを用意してもらって、気を使われる。それが当たり前の感覚になってしまわないように、バイトに行って怒られなきゃいけない」。

 来年1月には、ミュージカル「愛の唄を歌おう」(東急シアターオーブ、オリックス劇場)にも出演する。「歌はすごい下手なんです。踊りはもっと駄目。でも、一生懸命頑張るしかない」。全て誠実に取り組んでいる。【小谷野俊哉】

 ◆柄本時生(えもと・ときお)1989年(平元)10月17日、東京都生まれ。03年に映画「すべり台」(05年公開)のオーディションに合格し芸能界入り。ドラマでは04年WOWOW「4TEEN」、06年NHK大河「功名が辻」、11年NHK連続テレビ小説「おひさま」などに出演。映画では08年「俺たちに明日はないッス」、13年「謝罪の王様」などに出演した。178センチ。血液型O。