東京・上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン(香香、雌)」が18日、今日19日からの一般公開を前に、地元関係者や報道陣にお披露目された。シャンシャンは木登りをしたり、段差で転んだり、元気いっぱい。「かわいい~」という小学生の歓声や、多くのシャッター音にも動じることはなかった。母親のシンシンも普段通りの落ち着いた様子で、母子ともに公開に向けた準備は万全のようだ。

 ついにシャンシャンがお披露目された。午前10時ごろから約130人の関係者が観覧した。東京都の小池百合子知事は「一言でかわいい。東京の新しい宝物」と笑顔。地元の台東区立忍岡(しのぶがおか)小5年、高野瑠衣さんは「シンシンが移動したら、シャンシャンも追いかけて、仲が良さそうだった。またみんなで見に来たい」と笑顔を見せた。

 興奮気味の観覧者、多数の報道陣を前にしても、シャンシャンはマイペースで落ち着いていた。園では公開に向けて、飼育員以外の人に慣れさせる練習を進めてきた。10月下旬からは、休園日や開園前には観覧通路側のシャッターを開閉させた。約60人の職員が集まり、スマートフォンのカメラを向けるなどしても、動じることはなかった。

 だが多くの視線にさすがに疲れたのか、正午前にはうとうと…と、お昼寝。それでも母子そろってかわいい寝顔を観覧通路側に向ける“ファンサービス”ぶりだった。

 公開に先立って行われた記念式典では、汪婉(おう・えん)駐日中国大使夫人から福田豊園長に、記念品として「シャンシャンの銅像」が贈られた。福田氏は「上野では29年ぶりの赤ちゃんパンダ公開。シンシンとスタッフが一生懸命育ててくれたおかげだ。日中の交流を深める意味でも喜ばしい」と感慨深げな表情だった。

 来年1月末までは抽選による「狭き門」となるが、2月以降は健康状態を見ながら公開時間も延長される予定。シャンシャンの愛くるしい姿を間近で見られる日も遠くなさそうだ。【太田皐介】

 ◆シャンシャンを見るには 来年1月末までは、チケットぴあのネット、電話申し込みによる抽選方式で、公開は開園日の午前9時45分から午後0時15分まで2時間半のみとなる。1組5人で1日400組限定、最大2000人が観覧可能。今月19~28日分は、すでに締め切っており最多申し込みは公開後最初の週末となる23日の5万7585組。倍率は約144倍だった。現在来年1月2~21日分を受け付け中。観覧には入園券が必要(一般600円、中学生200円、小学生以下無料)。また今日19日からはインターネットでパンダ舎のライブ映像も配信する。