東京・上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン(香香、雌)」と母親のシンシンの一般公開が19日、始まった。速報値で、1397人が観覧に訪れた。公開は午前9時45分から午後0時15分までの2時間半。シャンシャンは正午すぎに眠ってしまったが、大きな混乱などはなく、ほぼ予定通り公開を終えた。

 シャンシャンは、朝一から元気に動き回った。一番乗りで観覧した川崎市の会社員、北川栄一さん(49)は「木登りをしているところだった。かわいい顔もこっちに向けてくれた」。この日は午前7時に上野駅に到着し、開園を待った。「抽選もこの日の来園も、1番にこだわった。シャンシャンを見られたのは、少し早いクリスマスプレゼントでした」と笑顔だった。

 “パンダ女子”もシャンシャンと対面した。神奈川県横須賀市の会社員、西谷冴子さん(23)は、パーカーやスカート、靴や手袋など、全身パンダのコーディネートで観覧に訪れた。「シンシンとシャンシャンが、じゃれついている姿を見られました。最高です。撮った動画は一生の宝物です」と大興奮だった。西谷さんは物心ついたときからのパンダファンで、自宅の6畳ほどのアパートには、ぬいぐるみを中心に、手作りを含めて約500種類のパンダグッズがある。「パンダ愛は誰にも負けない。絶対にまた見に来ます」と話した。

 正午すぎに観覧した横浜市の中学1年、水上慈温(しおん)君は「シャンシャンは寝てしまってたけど、その様子もかわいかった。シンシンは最前列でササを食べていたので、大満足です」と笑顔だった。

 観覧はスムーズに行われ、シンシンとシャンシャンの母子は興奮することなく、いつも通り落ち着いた様子だったという。渡部浩文副園長は「観客の方は大声を出さず、カメラのフラッシュも無かった。みなさんの協力のおかげで、大きな混乱はない。公開を限定して心苦しいが、徐々に時間を延ばしていきたい」と話した。

 来年の1月末までは、2時間半限定での公開。その後はシャンシャンの健康状態に応じて、時間が延長される予定だ。