2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのマスコットが「デビュー」した。東京大会組織委員会は22日、五輪マスコットの名前が「ミライトワ」に、パラリンピックが「ソメイティ」に決まったと発表。東京・日比谷で小学生たちも参加したイベントでは、等身大のマスコットたちがデジタル世界から初めて現実の世界に登場した。五輪開幕まで明日24日であと2年と迫る中、大会ムードを盛り上げる。
猛暑の中のデビューイベント、組織委員会の森喜朗会長と東京都の小池百合子知事が手にしたボードには「ミライトワ」と「ソメイティ」の名があった。子どもたちから名前を呼ばれると、マスコットたちは笑顔で力強く手を振った。デジタル世界から現実世界にワープし、「着ぐるみ」と違って暑さ知らず。汗もかかずに元気に動き回った。
「ミライトワ」とは「未来」と「永遠(とわ)」を合わせたネーミング。素晴らしい未来が永遠に続くようにという願いが込められている。「ソメイティ」は桜の「ソメイヨシノ」と英語の「so mighty(とても力強い)」から。98年長野冬季五輪のマスコット「スノーレッツ」を名づけた専門会社に委託し、30の案からマスコット審査会が絞り込んで決めた。
マスコットの名は、海外でどんな意味を持つかも重要。英語、ドイツ語、アラビア語など8言語についてチェックし、商標調査もした。最終的に審査会の第1候補で決定。デザインした谷口亮氏(43)は「個性的な名前でいいですね。子どもたちにTシャツを買って帰りたい」と話した。
史上初めて小学生の投票によって決まった大会マスコット。小池氏が「子どもたちにかわいがってもらってほしい」と言えば、森氏も「大会はアスリートだけじゃなく、みんなのもの」と、最前列の小学生に語りかけた。話はできないマスコットだが、2人の言葉に大きくうなずいた。
日比谷のイベント後には、「ミライトワ」が特殊能力の瞬間移動を披露。「ソメイティ」とともに浅草にテレポートし、アスリートや子どもたちと隅田川を下る船に乗って、水上パレードまでした。誕生を祝い、この日から9月6日までは東京ミッドタウン日比谷に「マスコットハウス」もオープン。2人(2体?)と記念撮影できるコーナーや、公式ライセンス商品の販売コーナーもある。
明日24日であと2年となる東京五輪開幕。「ミライトワ」と「ソメイティ」は特殊能力をフルに使って日本中を動き回り、東京五輪と東京パラリンピックを盛り上げる。【荻島弘一】
<2人?のプロフィール>
◆ミライトワ 五輪マスコットは、頭部と胴体は大会エンブレムと同じ市松模様。温故知新をコンセプトに、伝統を重んじながら最先端の情報にも精通する。正義感が強く、運動神経も抜群。特技は瞬間移動。
◆ソメイティ 桜の触角を持つクールなキャラクター。市松模様のマントで空を飛び、桜の触角でテレパシーを送受信。誰よりもパワフルで、超人的パワーを発揮するパラリンピックアスリートを体現する。
◆デジタル世界 ともにデジタル世界の住人で、必要な時に現実の世界に現れる。「設定」では身長や体重、性別などは「決まっていない」。この日のイベントは「等身大」という「設定」だが、瀬戸大也(174センチ)より大きかった。
◆無口 相手の話し言葉は分かるが、自らは口を開かない設定。今後、アニメ化などの可能性もあり、その場合は設定が変更されるかもしれないという。「設定」自体がフレキシブル。
◆ぬいぐるみ ライセンス商品で最大の売り上げが期待されるのが、ぬいぐるみ。全長130センチ、重さ約6キロの特大(14万400円=税込み)からSS(1296円=同)まで五輪、パラとも5サイズを販売。