一般社団法人・日本水商売協会の設立記念パーティーが21日、東京・銀座で開かれた。

同協会は、江戸時代の休憩処「水茶屋」と、芸妓(げいこ)のことを「泥水商売」と呼んだことなどが起源とされ、一般社会から虐げられる仕事となった「水商売」のネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)すること、業界の活性化を大目標に

(1)一般企業と比べ知識情報に後れを取っている

(2)違法スカウトマンに頼らざるを得ない採用環境

(3)ホステスを教育する環境がほとんどない

(4)ホステスのセカンドキャリア

など業界が抱えるさまざまな問題の解決のために、20人のメンバーが集まって設立された。

公式サイトでは、水商売で働きたいと希望する女性が無料でユーザー登録でき、「水商売マニュアル」など働く上でのスキルをまとめた教育コンテンツを閲覧できたり、法律や税務上の相談を受けたり、お悩み相談を受けられる。

一方、店も公式サイトに応募し、協会が定める一定の基準をクリアすれば、公式サイトに優良店舗として掲載され、求人情報も掲載できるなど、女性と店双方にメリットがある。

自ら銀座のクラブでホステスを務めた経験を持つ、甲賀香織代表理事(38)は「水商売という単語には、ネガティブなイメージを持つ人が多いと思うが、真面目に一生懸命に仕事と向き合う方がほとんど。水商売特有の粋、ユーモア、思いやり、明るさ、奥ゆかしさは守るべき日本文化であり日本の誇り。水商売こそ、日本の奥深い美しさを世界に発信できる」と訴えた。

その上で「一部の悪質な店舗のために、業界全体のイメージが損なっている現状がある。お店も女の子も良いお店、悪いお店の区別が付くほどの情報がないのが現状。真面目で一生懸命な店舗を、優良店舗としてスポットライトを当てる環境を用意させていただくことで、より健全なお店を増やしたい」と協会設立の意義を強調した。

パーティーの中では、銀座の高級クラブ「ル・ジャルダン」のオーナーを務める、望月明美ママらが体験談を語るトークセッションも設けられた。17歳から水商売の世界に入り、19歳から銀座でお店を経営する明美ママは「真面目に税金を払っていても、なかなか信用されない。怖い人みたいに言われたり、お店でカラオケ大会をやるなど、何でもないことで築地署に呼び出された」と水商売の世界で働く難しい現状を吐露。甲賀代表理事も、協会の銀行口座を作ろうとしたものの「信金やネット銀行もことごとくNG。面談など次のステップに進めない」と、水商売を協会名に入れたことにより、壁があると声を大にして訴えた。

理事の中には、音喜多駿東京都議の妻で、江東区の三次由梨香区議(33)と「筆談ホステス」として知られる北区の斉藤里恵区議(34)も名を連ね、この日のパーティーにも出席した。【村上幸将】