東京・池袋の都道で19年4月19日に乗用車が暴走し、松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)が死亡した事故の遺族の松永拓也さん(33)が17日、ブログを更新し、一周忌を過ぎた頃から不眠症状と右手の震えが出ていると明らかにした。

「4月19日の一周忌まではビール缶一本飲めば眠れたのですが、一周忌以降は朝方まで眠ることが出来なくなり、それと共に右手が震えるようになりました。今までは、心理学や脳科学等を自分なりに学び、思考法などで自分の精神をコントロール出来ていると思っていました。ですが、様々な要因が重なり症状が出てきたのだと思います」

松永さんは、初めて心療内科に行ったと明かした。そして医師から

・一周忌がトリガー(引き金、要因)になったと見ていいと思う。

・手の震えは、睡眠不足によって交感神経優位になっていることが原因ではないか。

・呼吸法によって、副交感神経優位に出来るからやってみて欲しい。

とアドバイスをもらったと説明した。

松永さんは心療内科で受けたアドバイスを元に「これからは呼吸法で副交感神経を優位にするように心がけて、筋トレやジョギングをはじめて、お酒を毎日飲むのはやめます。まず自分の力で眠れるようにしたいと思います」と生活を改めると誓った。その上で「今これから自分が出来ることをやりたいと思います。自分が健康でなければ天国の二人に心配をかけてしまいますし、裁判も、交通事故抑止への活動も出来なくなってしまいます」と、事故後、人生をかけて取り組んでいる交通事故防止の活動に取り組んでいく決意を、改めて示した。

車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)は、今年2月6日に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪で東京地検に在宅起訴された。松永さんは事故発生から1年を控えた4月16日夜、YouTubeを通じて動画でメッセージを発表し、実名を公表した上で、今後の裁判について「今のところ、刑事裁判がいつ始まるかはまだ分かりませんが、刑事裁判には被害者参加制度を使って参加する予定です」と語った。

松永さんは17日のブログの最後に「コロナの影響で交通事故抑止活動も、裁判に関しての行動もなかなか出来ず、モヤモヤとしていました。ですが、今できることをやっていこうと思います。今回は、決意を新たにする意味でブログを書きました」(コメントは原文のまま)とつづった。

◆池袋暴走事故 4月19日午後0時25分ごろ、東京都豊島区東池袋4丁目の都道で、乗用車が交差点2つを含む約150メートルにわたって暴走し、赤信号を無視して横断歩道に突っ込んだ。自転車に乗っていた松永さん母子が死亡し、運転していた飯塚元院長と助手席の妻を含め2歳から90代の男女9人が重軽傷を負った。