福島県郡山市の磐越自動車道で新潟市の北越高の男子生徒1人が死亡したマイクロバス事故で、同乗の生徒が事故前、走行時の様子を撮影した動画とともに「死ぬかもしれない」とのメッセージを保護者に送っていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。一部の生徒は、県警に「運転が危険だと思っていた」「荒かった」と証言しているという。バスにはドライブレコーダーが搭載されておらず、県警は動画の解析を進める。
運転していた若山哲夫容疑者(68=自動車運転処罰法違反容疑で逮捕)は「運転や体調に不安はなかった」と供述。ただ事故の5日前に新潟県内で追突事故を起こしていたほか、数カ月前から物損事故を5、6回繰り返していたことが判明した。
磐越道の事故は13日で発生から1週間。福島県警は事故の状況や若山容疑者の運転能力、運転に至る経緯を詳しく調べる。
捜査関係者によると、マイクロバスは6日午前7時40分ごろ、速度を落とさず道路脇のクッションドラム(緩衝設備)にぶつかり、ガードレールに衝突。車体に突き刺さった状態で20~30メートル先まで走行した。稲垣尋斗さん(17)が車外に投げ出され、死亡した。
一方、若山容疑者は事故前の1日、修理業者から借りた代車で新潟県村上市の日本海東北自動車道を走行中に車2台に追突する事故を起こしていた。福島県警は若山容疑者が椎間板ヘルニアと痛風を患っていることを把握。運転に支障を及ぼすほどの症状だったのか慎重に調べを進めている。
若山容疑者は男子ソフトテニス部員20人を乗せたバスを衝突させ、稲垣さんを死亡させたほか、17人に重軽傷を負わせた疑いで7日に逮捕された。「大変な事故を起こし、深く後悔している」と謝罪の言葉を口にしているという。

