東京都の小池百合子知事は22日の会見で、新型コロナウイルス特措法に基づく首都圏の緊急事態宣言が25日に解除されれば、26日午前0時から休業要請などの緩和を“解禁”する第1歩に踏み出す考えを表明した。緩和は4段階あり、ステップごとに対象施設が増える。多くの施設が緩和対象となるが、接待を伴う飲食店やカラオケ、ライブハウスなどは含まれず、事業再開の見通しは立たないままだ。感染防止と社会経済活動両立に向けたロードマップも発表された。

首都東京が、日常生活を取り戻す第1歩へ動き始める。小池氏は会見で、首都圏の緊急事態宣言が25日に解除されれば、「26日午前0時、速やかに休業要請の緩和の『ステップ1』に入る」と明言した。

現在の「ステップ0」が「ステップ1」になれば、美術館や体育館、野球場や学校などが緩和対象となる。無観客でのプロスポーツ、50人までのイベント実施も可能だ。現在、午後8時までと営業時間が制限される居酒屋など飲食店も、酒類の提供を含めて同10時までの対応が可能になる。

この日、詳細な施設などが示されたのはステップ3まで。ステップをさらに前に進める際は、原則2週間単位をベースに判断する。学校は、オンライン学習とともに分散登校を経た上で、段階的に再開させる。

小池氏は「1日も早く平穏な日々を取り戻すために、感染防止と経済社会活動を両立しながら『新しい日常』が定着した社会を実現したい」と述べた。

前向きな歩みがある一方、接待を伴う飲食店やライブハウス、カラオケ、スポーツジム、個室付き浴場などは、「ステップ3」でも緩和の対象外だ。事業者の不安を指摘された小池氏は「残念ながら、クラスターや陽性者を出してもなかなか履歴を追えず、慎重にならざるを得ない」と訴えた。さらなる協力金支給などの対応も未定だ。緩和のタイミングについては、国の対処方針などの状況を踏まえて検討するとして、見通しは立っていない。

緊急事態宣言の解除後は、臨海副都心のレインボーブリッジを午後8時から午前0時までライトアップして、都の状況を都民に周知する。新規感染者数など7つの指標が基準以内なら「レインボーカラー」だが、基準を超えれば真っ赤。これが小池氏命名の「東京アラート」による警告だ。警告の状態が続く場合は再び休業要請に戻る可能性もある。この日、都内の新たな感染者は3人。緊急事態宣言発令後では最も少ない。週明けの宣言解除に向けた後押しとなるか。