野口聡一宇宙飛行士(55)が16日午前9時27分(米東部時間15日午後7時27分)、初の民間宇宙船スペースX社の「クルードラゴン1号機」に搭乗し、3度目の宇宙へ飛び立った。野口さんら4人の宇宙飛行士が搭乗した宇宙飛行船は米フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられ、17日午後1時ごろ(米東部時間16日午後11時ごろ)に国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、ドッキングする予定だ。

クルードラゴン1号機は15日に打ち上げが予定されていたが、打ち上げで使用するロケット「ファルコン9」を海上で回収する船が悪天候で予定地点に到達できなくなったため、延期されていた。

野口さんは2005年にスペースシャトル(米)で初飛行、09年のソユーズ(ロシア)以来、3度目のISSでのミッションで約6カ月間の長期滞在中に新たに宇宙空間で移植可能な人の肝臓の再構成や免疫疾患の治療薬、抗がん剤の開発に活用されるタンパク質の結晶の精製などのミッションを行う。また民間事業者による初の超小型衛星(50キロ級)の放出を行い、来年3月11日には東日本大震災から10年を迎える被災地へ向けて宇宙からメッセージを贈る予定だ。