新型コロナウイルス対策が焦点となっている国会論戦。菅義偉首相が強気姿勢から一転、防戦一方となった。

26日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美衆院議員から「政治によって救える命が救えなかったかも知れない。責任は感じるか」と質問され「例えば、必要な検査を必要な時に受けられない。そうした体制ができてないことについては責任者として大変申し訳なく思う」と陳謝した。

政府が昨年11月25日から感染防止対策として国民に呼びかけた「勝負の3週間」の反省点を、立民の奥野総一郎衆院議員に問われると「今は午後8時から（飲食店の）時間短縮をさせていただいているが（当時は）そこの部分が甘かった」とも述べた。

首相の「変化」について、辻元氏は質問後の取材に「（前日25日は）ハリネズミちゃんみたいになっていた。今までのことは間違ってないと、かたくなになって。頑固おじさんと頑固おじいさんの間みたいな感じになっていた」と指摘。この日については「余裕も出て、野党の意見も聞こうとされている」と述べた。

一方、東京オリンピック（五輪）・パラリンピックに関して、橋本聖子五輪担当相が大会期間中に必要な医療スタッフの数を「1万人程度」と答弁したことに、辻元氏が「医療体制を考えたら、東京オリンピックをフルでやることは不可能じゃないか」とかみつき、首相に聖火リレー開始前に開催に関する結論を出すよう求めたが、首相は「先ほど橋本大臣が申し上げた通り」と逃げ腰に。別の質疑で「ここで逃げるからダメだ」と指摘された首相は「逃げるようなことはまったくしない」と反論したものの、いつもの強気は影を潜めた。【大上悟】