9日に逝去したフィリップ殿下が生前、孫のヘンリー王子(36)とメーガン妃(39)夫妻が米CBSテレビのインタビュー番組で王室批判をしたことについて、「狂気の沙汰で、ろくな結果にならない」と語っていたと報じられた。

夫妻は先月、人気司会者オプラ・ウィンフリーのインタビューで長男アーチ君を妊娠中に王室メンバーから「子供の肌の色の濃さ」を懸念する人種差別を受けたことを告白していた。フィリップ殿下の伝記を執筆した元国会議員でジャーナリストのジャイルズ・ブランドレス氏が、英デイリー・メール紙に明かしたもので、インタビュー内容に失望していたことがうかがえる。

番組は99歳と高齢のフィリップ殿下が入院中に放送されたこともあり、夫妻の配慮のなさに批判の声も出ていたが、同氏によるとそのことはまったく気にしていなかったという。

殿下はむしろ2人が自分たちのことを優先し、それを公の場で熱心に語ったことを心配しており、私生活について赤裸々に語ったことに不満を覚えたという。「インタビューは受けても、自分のことは語らない」というのが殿下のルールの1つだったといい、それは孫たちにも伝えてきただけに落胆も大きかったようだ。

夫妻はエリザベス女王とフィリップ殿下の関与は否定しているが、誰に言われたのかについては明かしていない。

殿下はかわいがってきたヘンリー王子に対し、「自分自身のことを考えるのは大きな間違い。人気は長続きしない。自分がどんな人間なのかではなく、特権を与えられている立場のために注目を集めていることを忘れてはいけない」と常々諭してきたといい、昨年王室を離脱した際にもマスコミに対する不満には理解を示しつつ、「国にとっても自分たちにとっても正しいことではない」と話していたという。

ヘンリー王子は17日に行われる葬儀に参列するため、11日に妊娠中のメーガン妃とアーチ君を米国に残して単身で帰国。現在は英国の新型コロナウイルス感染対策に従い、王室時代にメーガン妃と暮らしたウィンザー城にあるフロッグモア・コテージで隔離していると伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)