囲碁の最年少プロ、仲邑菫二段(12)の挑戦者決定戦進出はならなかった。藤沢里菜女流立葵杯(22)への挑戦権をかけて15日、福島県会津若松市「今昔亭」で行われた第8期会津中央病院・女流立葵杯準決勝で、牛栄子(にゅう・えいこ)三段(22)に午後4時34分、250手で黒番6目半勝ちを許した。昼食休憩(正午から1時間)の前後から劣勢となり、そのまま押し切られた。

これまでは昨年の女流棋聖戦の本戦準々決勝進出が最高。今年4月の立葵杯本戦1回戦で小西和子八段に勝ち、初の4強入りを果たした。昨年はコロナ禍により都内での開催だったが、挑決準決勝以上の会津対局という恒例行事が2年ぶりに復活。初めて会津入りしたが、ほろ苦い結果となった。それでも、「思った以上に勝てました。自分の中では満足です」と話した。

現在、女流本因坊戦本戦はベスト8。扇興杯も16人による本戦トーナメント入りした。女流棋戦の挑戦者決定戦決勝進出の年少記録は藤沢里菜二段の15歳8カ月、若手限定棋戦は一力遼二段の15歳5カ月、これらを除くタイトル戦では趙治勲五段(段位はすべて当時)の16歳3カ月。これらをまとめて更新するチャンスはまだまだある。

囲碁の女流棋界は現在、藤沢が女流本因坊、女流名人、女流立葵杯の3冠を保持している。上野愛咲美女流棋聖・扇興杯(19)と5つのタイトルを分け合う。これを鈴木歩七段(37)謝依旻(しぇい・いみん)六段(31)向井千瑛六段(33)らのタイトル獲得経験者が追う。ここに、今回の立葵杯ベスト4組の仲邑、牛、加藤千笑二段(19)らが加わってきた。

今回は惜しくも姿を消したが、タイトルを狙える位置にある仲邑の活躍から今後もますまず目が離せない。

なお、16日に同所で行われる挑戦者決定戦は牛と、加藤を準決勝で下した上野が対戦する。【赤塚辰浩】