将棋の藤井聡太3冠(王位・叡王・棋聖=19)が豊島将之竜王(31)に挑戦する、第34期竜王戦7番勝負第4局が12、13の両日、山口県宇部市内で行われ、後手の藤井が大逆転勝利を収め、開幕から4連勝で竜王を奪取した。羽生善治九段の22歳9カ月の最年少4冠の記録を28年ぶりに更新し、史上初の「10代4冠」が誕生した。将棋界にある8つのタイトルのうち、半分の4冠を同時に保持し、全棋士の序列トップに立った。優勝賞金4400万円を獲得し、10代で実質1億円プレーヤーとなり、「藤井1強時代」の幕が開いた。

藤井竜王の昨年の獲得賞金と対局料は4554万円。棋聖、王位の2冠、テレビ棋戦「銀河戦」初優勝などで、この額になった。

今年は棋聖と王位を防衛。叡王も獲得。賞金額非公表のこれらの獲得賞金と対局料で、これまでに昨年の4554万円はあると推定する。これに金額公表分を加える。竜王戦の優勝賞金4400万円、同決勝トーナメントの対局料の合計が731万円。朝日杯優勝750万円を足して少なくとも1億435万円を超えるものとみられる。

将棋界初の1億円棋士は1993年(平5)の羽生善治で1億63万円。これ以降、羽生は95年に史上最高額となる1億6597万円を含め、15年までに1億円超えを17回している。ほかの1億円棋士としては、97年谷川浩司1億1762万円、04年森内俊之1億833万円、13年渡辺明1億255万円、20年豊島1億645万円という例がある。