ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が1日、米FOXニュースのインタビューに応じ、ロシアのプーチン大統領による暗殺計画をこれまで何度阻止してきたのか問われ、笑顔で「試みがあったことは聞いているが、何度あったのか数えるのは難しい」と答えた。

3月末にも、ウクライナのキーウ・ポスト紙が、ゼレンスキー大統領の物理的排除を試みていたロシア特殊サービスが率いる25人の暗殺部隊が、スロバキアとハンガリーの国境近くで捕らえられたと報じ、暗殺計画が再び阻止されたと伝えていた。

ロシア特殊部隊の暗殺標的リストの筆頭に名を連ねるゼレンスキー大統領は、2月24日の侵攻以来少なくとも3回の暗殺を阻止したことが報じられているが、大統領府のミハイル・ポドリャク長官は侵攻から2週間で12回以上の暗殺未遂があったと明かし「我々は非常に強力なインテリジェンスと防諜(ぼうちょう)ネットワークを持っている」と語っていた。

ロシア民間軍事会社ワグナーグループの雇い兵やチェチェン共和国の特殊部隊がウクライナに送り込まれているが、ロシア情報機関の連邦保安局(FSB)の内通者による情報で未然に防ぐことができたと欧米メディアは伝えている。

ゼレンスキー大統領はインタビューで「私は大丈夫です。自分ができることをしています。自分自身のことについて考える暇がないのは良いことだが、人生の楽しみである家族と一緒に過ごすことを考えられないのは残念だ」などと話し、今は私のパートナーであるウクライナ国民のために不眠不休で働き、できる限り効率的に仕事を遂行しているとコメント。自国民を助けるためにロシアとの停戦を喜んで受け入れる考えを示した。(ロサンゼルス=千歳香奈子)