本因坊文裕(井山裕太本因坊・名人・王座・碁聖=32)が一力遼棋聖(25)の挑戦を受ける、囲碁の第77期本因坊戦7番勝負第4局が12日、福岡県太宰府市「九州国立博物館」で打たれた。11日からの2日制の対局は、12日午後6時7分、196手までで井山が白番中押し勝ちした。これで4連勝として防衛するとともに、11連覇を達成。1989年(平元)の第44期から98年の第53期まで25世本因坊治勲(趙治勲九段名誉名人=65)が達成し、前期自ら肩を並べていた10連覇を超え、タイトル戦の連覇新記録を達成した。

「囲碁ファンとして見ていた趙先生の記録に、自分がチャレンジできるとは夢にも思わなかった」と、井山は喜びをかみしめた。

底力で一力をねじ伏せた。昨年8~11月の名人戦は4勝3敗で防衛したが、今年1~3月の棋聖戦は3勝4敗でタイトルを失った。本因坊戦も含め、囲碁界で大三冠と呼ばれる7番勝負がすべて同一カードとなるのは史上初。またとない舞台の開幕局で半目勝ちというきわどい白星を得ると、ストレート勝ちした。

「ここに向けてできることを精いっぱいやろうと思った。結果に結び付けることができて良かった。今後も精いっぱい囲碁に向き合いたい」と話していた。