将棋の藤井聡太5冠(竜王、王位、叡王、王将、棋聖=19)が18日、北野天満宮(京都市上京区)を参拝し、同神社で開催された「藤井聡太叡王 叡王戦初防衛記念 天神さん子ども将棋大会」に参加した。子どもたちから「苦手な戦法は?」「人工知能(AI)研究」など鋭い? 質問に笑顔でタジタジになる場面もあった。

「苦手な戦法」について質問が飛ぶと、藤井はマスク越しに笑顔を見せ「その質問にはここでは」と一呼吸置くと、会場はドッと沸いた。

「将棋の戦型はいろいろあって、最近では雁木(がんぎ)とか新しい戦法などが整ってきて、新しい発見があると思うので、こちらも対応していかなければいけない」。ストレートの回答を控えたが、誠実な“受け”を披露した。

人工知能(AI)のソフトによる研究は1日に何時間ぐらい当てているか? の激しい“攻め”には「ちょっとここでは申し上げられないですが……」と“企業秘密”をなんとか守り切った。

今期から順位戦A級に昇級した。「A級の対戦で楽しみな相手は?」には、藤井は声を出して笑い、「はい、そうですね。A級はトップの方ばかりなので、長い持ち時間で戦えるには楽しみです」と答えた。

最終盤には「明日は父の日ですが、何かプレゼントされますか」の質問には「まったく予期していませんでした」と想定外に終盤力が持ち味の藤井もタジタジになりながらも「明日が父の日というのはまったく把握していなかったので、聞いてしまったので何かします」の“満点回答”。会場は笑いに包まれた。

北野天満宮では叡王戦5番勝負の第5局が行われる予定だったが、藤井は挑戦者の出口若武六段(27)をストレートの3連勝で破り、同タイトルでは史上初の防衛を達成した。学問と芸事の神様・菅原道真をまつる北野天満宮に参拝し、子どもたちと交流を深めた。