ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が、先月末にドイツで行われたG7サミット(主要7カ国首脳会議)で自身の上半身裸のマッチョな姿をいじられたことについて、G7首脳たちの体形を「気持ち悪い」と語って反論した。ウクライナ侵攻から5カ月が経過したロシアへの経済制裁を強化することを改めて確認したサミットで、首脳たちは上半身裸で馬に乗ったり、魚釣りをするなどマッチョなイメージを誇示するプーチン大統領について話題にしていた。

ジョンソン英首相が、「プーチンよりタフなところを見せようじゃないか。服を脱ごう。胸筋を見せてやらないと」などとジョークを飛ばすと、カナダのトルドー首相も「私たちも胸を出して乗馬しようじゃないか」と応じてプーチン大統領をからかった。これに対し、中東のトルクメニスタンを訪問したプーチン大統領は、「ウエストまで脱ぎたいのか、腰下まで脱ぎたいのかは分からないが、とにかくおぞましい光景であるはずだ」とコメント。「酒の飲みすぎなど悪い習慣をやめ、運動し、スポーツに励む必要がある」と西側諸国の首脳陣の生活習慣を批判する一方、「彼らは一国のリーダーであり、それに取り組めば、望む改善はできるはずだ」とも語った。

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席したジョンソン首相は、会見でプーチン大統領の発言について問われたが、これに対して直接答えることはなかったという。

柔道家でもあるプーチン大統領は「強い男」をアピールすることで知られており、その手段として鍛え上げられた上半身を露出する姿を度々メディアで公開している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)