福岡・久留米市などで5日夜に開催された筑後川花火大会中に、打ち上げ会場近くにある久留米高専の弓道場(木造平屋)で花火玉が落下して爆発したとみられる火災が発生し、弓道場は全焼した。火災から一夜明けた6日、福岡・久留米市内の弓道関係者らを中心に同校弓道部への支援の輪が広がっている。

久留米弓道連盟の水田英敏会長(79)のもとには、被害の詳細は不明なものの、久留米市や筑後市の弓道用具販売店から弓、矢、はかまなどが燃えてしまったのではないかとの懸念の声が届いている。「まだ昨日の今日でどうなるかは決まってはいない」としたうえで、「個人的には、どげんかせんといかんと思っています」。久留米総合スポーツセンター内にある弓道場の空き状況などによって、練習場所の提供などを検討。弓道用具、道着などに関しても「一式そろえるとなると10万円くらいはかかってしまう。それは大変なこと」と、なんらかの形での支援ができないか模索している。

同校弓道部は約30人の部員が在籍し、9月1日開幕の全国高専弓道大会(兵庫・明石市)出場に向けた練習を重ねていた中での火災となった。外部コーチを務める富安隆一さん(65)は「完全に焼失はしてはいないのでリフォームにどの程度の時間がかかるのか、皆目わからない。道場内に格納していた用具などの被災状況もまだわかっていない。ショックだし、ビックリしています」。屋根に穴が開いて窓ガラスや扉が吹き飛んでしまった弓道場は、19年に建て替えたばかりだった。

現場近くに住む40代男性は「久しぶりの花火大会で、県内外から来た浴衣姿などの若者が笑顔になっていた。(消防車などの)サイレンがすごかったので何かあったのかとは思ったが、高専弓道部の若者にも負けずに笑顔で頑張ってほしい」と願った。

県警、消防、花火実行委員会関係者らが弓道場なども含めて現場周辺の被害状況を詳しく調べている。【鎌田直秀】