トランプ前米大統領が米フロリダ州パームビーチに所有する別荘マー・アー・ラゴが米連邦捜査局(FBI)による家宅捜索を受けた直後に、1日当たり最大100万ドル(約1億3500万円)の献金を集めたと米ワシントン・ポスト紙が報じた。

トランプ氏の政治活動委員会であるセーブ・アメリカには、8日から2日連続で1日100万ドルの献金が寄せられたといい、現在までの合計金額は不明ながらも今月は1日の平均献金額が20万~30万ドルに急増していると伝えている。

トランプ氏は家宅捜索を受けた後、支援者らに「民主主義に対する脅威であり、トランプ氏を擁護し、彼がアメリカを救うのを助ける唯一の方法」だとして献金を募るメッセージやメールを送っていた。

家宅捜索は「政治的脅迫による、魔女狩りだ」と主張し、バイデン政権による政治的な動機だと批判。「再び共和党と私を止めようとしている。阻止しなければならない」と支援者に訴えていた。トランプ氏は、FBIによる家宅捜索の様子を捉えた監視カメラ映像を所持しており、それを政治キャンペーン広告として利用し、公開直後に大統領選への出馬を表明する可能性なども取りざたされている。

一方、家宅捜索を巡っては、FBIの捜査官が機密文書があることとその保管場所を的確に把握していたことから、身内に情報提供者がいた可能性が取り沙汰されている。家族しか知りえない金庫の隠し場所を探し当てていることから、トランプ氏の元弁護士マイケル・コーエン氏は、「情報提供者はトランプ氏の子供か義理の息子であっても驚かない」と語っている。

また、トランプ氏のめいでトランプ一族の暴露本を出版したメアリー・トランプさんも、身内に通報者がいたと考えている一人で、それは長女イバンカさんの夫で大統領上級顧問を務めたジャレッド・クシュナー氏だと推測していると、英ガーディアン紙が伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)