藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)の挑戦を受ける、将棋の第83期名人戦7番勝負第5局が30日、茨城県古河市「ホテル山水」で行われた。29日午前9時からの2日制で始まった対局は、第4局に続き同一局面が4回出現する千日手が30日午前11時、67手で成立した。先手後手を入れ替えて30分後に始まった指し直し局も双方1分将棋となる熱戦の末、午後11時16分、171手で先手の藤井が劣勢をひっくり返して逆転勝ち。対戦成績4勝1敗で3連覇を果たした。終局後、藤井は記者会見に応じた。一問一答は以下の通り。
ー王将戦に次いで永瀬九段と戦っての距離感は?
藤井 王将戦、名人戦で得るものが多かったと感じています。足りないところも見えた。(永瀬九段とは)7月からの王位戦でも対戦することになるので、それを実力に変えていかなければいけないと思います。
ー3連覇してあと2期で永世名人です。獲得3期は佐藤天彦九段、渡辺明九段と並びました。
藤井 永世名人を具体的な目標として意識するという感じではない。漠然としたあこがれは以前からあります。今後少しでも近づいていけるように、実力をつけていかなくてはいけないと思っています。
ー第4局、第5局と連続千日手でした
藤井 今期は第2、第3局も千日手になる筋があった。相居飛車だと、千日手含みで作戦を立てることが多いですし、作戦的な要素があると思います。
ー第5局は今シリーズで最も遅い深夜の終局でした
藤井 本局、指し直し局、苦しい局面も多かった。大変なシリーズだったと思っています。先手番だと主導権を握ることができない将棋が多かった。改善していきたいと思います。
ー初日の昼食に甘露煮を選んだ理由は? 古河市の感想は?
藤井 メニューブックを見て、甘露煮が名物と書かれていましたので、気になって選んだ。いただいてみてすごく柔らかくて、味もしっかりしていておいしくいただけました。古河市初めて。おやつ、対局場の設営、地元の方の熱意、心遣いを感じて、私としてはすごくうれしく思いましたし、集中して対局できました。タイトル初開催。将棋に興味を持ってくださる方がいれば、うれしく思います。
ー名人はこれで3連覇です
藤井 内容とかの影響が大きい。今日は中盤以降かなり苦しい展開になってしまったので、防衛ということに実感が出てこない。2年前、名人初獲得を思い返すと、1日目は少し苦しかった。2日目の終盤で勝ちが見えたときは緊張しましたし、タイトルを獲得できたときの緊張感はあったかと感じます。
ー永瀬九段の大食ぶりはどう思われましたか
藤井 私は2日目の夕休。食事は軽めにすることが多いんですけど、今後も自分のペースで。
対局時は千日手も想定して先手後手両方の作戦用意しますか
藤井 千日手の可能性は高く見積もるわけではないので、先後が確定している対局はその手番を優先してという感じです。千日手になった時の手番というのは深く想定していませんでした。指し直しといっても、第4局は1日目に千日手になり、2日目に(1日制で)指し直し。作戦について考えることはあった。本局は直後だったので、作戦をもって臨むのは難しい。気持ちを落ち着けるという感じでした。

