北朝鮮が、外貨稼ぎとイメージ刷新を狙って推進した「元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海辺リゾート」が1日、大々的な広報とともに開場した。しかし外国人観光客はまったく見当たらなかったと報じる海外メディアもあった。
北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、同リゾートを紹介し「観光に来た家族が海水浴、ウオータースライド、水上スキーなど各種レジャーを楽しみながら幸せな笑みを浮かべている。楽しい雰囲気があちこちにあふれ、明るい宿舎の窓には幸せの歌が響き渡った」と、約4キロの砂浜に家族が集まって海水浴を楽しむ映像を流した。
韓国メディアのイーデーリーは4日「同リゾートは、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の最も野心的な外国人観光客誘致プロジェクトの1つで、金総書記は先月24日、妻と長女とともに完成式に出席し、大々的に宣伝した。当時の行事には、北朝鮮駐在のロシア大使館関係者らが公式の外賓として出席した」と報じた。
また「同リゾート周辺は、過去に軍事訓練場として使われたが、最近、総書記の指示で現代的な施設に変貌した。リゾートは砂浜と超高層ホテル、ウオーターパーク、ショッピングモール、レストランなど各種施設を備えた超大型観光団地で、最大2万人を収容できるという。『北朝鮮版ワイキキ』と呼ぶ韓国のメディアもいた」とも伝えた。
北朝鮮側は今後、ロシア人などを中心に、海外観光客の誘致も行っていくとみられている。
しかし米ニューヨーク・タイムズは3日「金総書記の期待とは裏腹に、外国人観光客の誘致は依然として容易ではない状況だ。開場して2日が過ぎたが、外国人訪問客はいなかった。総書記が望むように国家財政に役立つほどの多くの観光客は誘致できないこともありうる」と指摘。首都平壌(ピョンヤン)から約210キロあることや、国内外の交通手段が整備されていないことも理由にあげた。

