フリーアナウンサー古舘伊知郎(70)が23日までに自身のYouTubeチャンネル「古舘伊知郎チャンネル」を更新。TBS系報道番組「報道特集」における同局山本恵里伽アナウンサーの発言について、「山本アナは何一つ悪くない」などと私見を述べた。一方、「報道特集」に対しては、一部注文をつけた。
「報道特集」をめぐっては12日の放送で、各政党の外国人政策について報道。参政党のキャッチコピー「日本人ファースト」などを伝える一方で、SNS上などでは外国人を排斥するような言葉やヘイトスピーチが飛び交っている現状も報道した。
山本アナも「外国人政策が争点に急浮上する中で、これまではそこまでは注目されていなかった強硬な主張が急に支持を集める、であるとか、社会が決して受け入れてこなかった、排外的な、差別的な言葉がSNSで拡散していく。そういった現実に、正直すごく戸惑いを感じています」「実際に外国籍の人と全くかかわらずに生活をしている人って、実はほとんどいないと思うんですよ。学校の友達だったり、職場の同僚だったり。自分の1票がひょっとしたら、そういった身近な人たちの暮らしを脅かすものになるかもしれない。これまで以上に想像力をもって、投票しなければいけないと感じています」などコメントし、さまざまな議論を呼んだ。
そしてそれらの番組内容に対し、参政党は「著しく公平性・中立性を欠いた内容でした」と抗議。「報道特集」側も「この報道には、有権者に判断材料を示すという高い公共性、公益性があると考えております」と主張し、参政党はBPOの放送人権委員会に申し立てを行う意向を表明する事態になった。
古館は今回の動画でこの件に言及。「山本アナ」に対する考えと、「報道特集」に対する思いの2つに分けて、自身の考えを語った。まず、山本アナについて古舘は「1つは、山本恵里伽アナ、何一つ悪くない。いいこと言ったじゃないか、と私は思っています」と言い切った。
古舘は「報道特集」における山本アナの発言について「“排外主義につながることに危惧を覚えている”という趣旨。そしてまた、“外国人労働を含めてお世話になり、何らかの形で直接間接を問わず外国人労働でお世話になっているこの国で、あまりにも理不尽な…悪いことやっている人をのぞいて、そうじゃない人に対してやや差別的になってしまってはいけない、そこにやっぱり警鐘を鳴らしていかなきゃいけないと思う”というような(趣旨の)ことを言ったわけですよね。表現は違っても。何ら悪くないじゃないですか。どこが悪いんですか? 立派な1つの、警鐘を鳴らす意見です。もっと言うなら、警鐘を鳴らす意見にすぎないじゃないですか。何がいけないんですか」と強い口調で述べた。
そして「こういう単純な”論“がありますよ。”局のアナウンサーは原稿を読んでりゃいいんだ。アナウンサーは自分の意見を言っちゃいけないんだ。キャスターならば、意見を申し述べてもいいんだ。ジャーナリスト的な側面があるかもしれないから。ただ、一方で、アナウンサーがそういうこと言ったら100%アウトだ”というようなことを言っている人もいます。私は違うと(思う)。僕の意見です。山本アナウンサーは、アナウンサーでありながらキャスターじゃないですか。『報道特集』というあの作りの中で、長テーブルのほぼ中心に座り、サブキャスターとかアシスタントとかそんな扱いじゃないじゃないですか。“キャスター”ですよ。局アナであろうがフリーであろうが、関係ないじゃないですか…そんな枠組み。キャスターという立場でしゃべり、演じなきゃいけない立場なんじゃないですか。それに、(山本アナは)極論や暴論、言ってますか? そして山本恵里伽キャスターだけが独断で暴走した意見ですか? とんでもない。局アナさんという所属もあるだけあって、しっかりとスタッフと入念に打ち合わせをしてすり合わせて、“私は結びでこういうことを言わせてもらう”という入念な打ち合わせの元、原稿“ベタ読み”でもなんでもなく、しっかり語ってみせた…ということですよ。それ以上でもそれ以下でもない。なんで(山本アナを)“国会に呼ぼう”とか、とんでもないことになる(声が一部で出ている)のかさっぱりわからない」などと続けた。
さらに「一方で、放送法について参政党さんが言っていること分かりますよ。“放送法第4条も含めてあるんだから、中立公正を旨としなきゃいけないのに、選挙戦の中盤で、あたかも参政党が外国人排外主義に走っているかのように言われるのはとんでもない”って怒ってみせるのは分かる。それは分かるんですけども、放送法第4条をめぐってもいろんな解釈があるんです。1つじゃないんです。中立公正を1つのテレビ局(の中)でバランスをとって、“こっち(の番組)がややバイアスかかっていたこともあえて言った、その分こっち(の番組)でヘッジしよう”…とか。“お国の言うこと、政府の言うことに忖度ばかりしていたら権力に警鐘を鳴らすというジャーナリスティックの根本が崩れてしまうので、あえて言わなきゃいけない時にいろいろバランスをとって両論併記するべき”だとか。“いや、とにかく選挙期間中は何も言っちゃいけない”という解釈とか。放送法第4条でもどのポジションに立つかによって解釈が変わってくるんです。大いに議論していかなきゃいけないんです。テレビ局は縮こまりすぎてもいけないし、野放図になってもいけないんです。だから私は擁護するわけでも何でもなくて、山本恵里伽キャスターが言ったことをめぐって、こんなになっていることにすごく違和を覚えます」ときっぱり私見を述べた。
古舘はその後、「報道特集」についての思いなどに話を進めた。「自分もテレビ出身で、大変生意気な言い方になりますけども、あえて言います。分かりやすく。『報道特集』がはまってしまっている…あえて言いますよ、“『報道エリートのワナ』っていうものにちょっとお気をつけいただいた方が、『報道特集』はより良くなるんじゃないですか”と、生意気な批判の意見を持ってます」などと指摘し、そう考える理由などもその後動画の中で詳細にズバズバ語っている。

