将棋の元名人で、22日に肺炎のため86歳で亡くなった加藤一二三(かとう・ひふみ)九段の通夜が27日、東京・聖イグナチオ教会で執り行われた。教会に行く前、ひつぎを乗せた車は、約63年の棋士生活の思い出が詰まった東京・千駄ケ谷の新旧将棋会館を回った。
通夜では、前日本将棋連盟会長の羽生善治九段(55)が弔辞を読んだ。「迫力ある対局姿が印象的でした。美術や音楽、歴史などの深い造詣に感服しました。同じ戦法で戦う姿は、同じ旋律を奏でるバッハの音楽と同じだと不思議な余韻に浸りました。求道者としての棋士の姿と引退後のお茶の間を笑わせたギャップは、余人をもって替え難い」などと、数々の記録と記憶に残る名棋士をしのんだ。
葬儀には藤井聡太6冠、伊藤匠2冠の現役タイトルホルダーのほか、羽生、加藤さんと名勝負を繰り広げた中原誠16世名人、谷川浩司17世名人、渡辺明九段ら多くの棋士が献花した。
また、都倉俊一文化庁長官をはじめ、テレビ番組で共演したマツコ・デラックス、山里亮太、将棋好きのサバンナ高橋茂雄、加藤さんの大ファンだと公言している女優戸田恵子、同じ福岡県嘉麻市出身の俳優瀬戸康史ら、芸能界からも数多く献花。交友関係の広さをうかがわせた。【赤塚辰浩】

