<NHKマイルC>
ゴールまで400メートル地点。内田博騎手の「勝負勘」がさえた。先頭のタマモブラックタイ、ダノンタッチダウンを追い上げるシャンパンカラーに「ひと呼吸」入れた。すぐには追いださず、外のオオバンブルマイが来るのを待つ。完歩にして2、3完歩。わずかな間合いだが、これが最後で勝敗を分けた。
馬場発表は「やや重」だが、雨は断続的に降っており体力を奪われるコンディション。そんな中、逃げたフロムダスクの前半1000メートルは58秒4。間違いなく消耗戦になる。出遅れてポジションは後ろになったが、ペースを読んで好位差しから直線勝負へ切り替えた。このあたりがベテランの巧みさだ。
4コーナーから仕掛けた時の反応が速く、一気に前を捉える勢いだったが、そのまま出て行けば後ろからやられる。だから抜け出せる手応えを感じながら「ひと呼吸」置いた。早めに動いたオオバンブルマイ、ダノンタッチダウンの脚いろが鈍ったのと入れ替わるようにシャンパンカラーが先頭へ。これしかないという絶妙のタイミングだった。
最後はウンブライルの追い上げを、何とか頭差しのいだ。もし、勝負どころでの「ため」がなければ、差し切られていたかもしれない。名手の技が光った。