エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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私はカタログの募集馬から応募馬をピックアップして応募して実際に獲得(出資)するまでの作業をドラフトと呼んでいるが、私の2022年度キャロットクラブの具体的なドラフト戦略と結果は次の通りだったので、結果は怖いが、あくまで戦略の立て方の1例として、よろしければ参考にしていただきたいと思う。

7能力の総合判断から応募候補馬に上げたのは、代金が高い順に次の14頭だった。ギーニョ21(牡5600万)、バウンスシャッセ21(牝5000万)、アドマイヤローザ21(牡5000万)、ヴィートマルシェ21(牡5000万)、アルアリングスター21(牝5000万)、ジンジャーパンチ21(牡5000万)、レーヴドゥラメール21(牝4000万)、ウインジュビリー21(牡3000万)、アピール2の21(牡2600万)、スプリングゲイル21(牡2400万)、ラプソディーア21(牝2400万)、スペクトロライト21(牝2400万)、エスティタート21(牝2400万)、ブランシェクール21(牡2000万)。

前述【タイトル『安めの馬を基本にしよう』1月10日(火)連載】の通り、私は牡馬4000万、牝馬3000万、地方馬1000万という線引きをしており、それを超える馬は自分がよほど気に入った馬でない限り応募を控えることにしている。そこでこの視点から能力的リスクも踏まえ、ブランシェクール21(6位)、レーヴドゥラメール21(8位)、スプリングゲイル21(33位)、ギーニョ21(38位)、エスティタート21(49位)、ラプソディーア21(63位)、バウンスシャッセ21(圏外)、アピール2の21(圏外)の8頭を最終的応募馬にした。なお、カッコ内は最終中間発表総申込数の順位、圏外とは名前が上がらない人気薄の馬である。

次に、キャロットクラブでは最優先希望枠の使い方がとても重要である。私は×(バツ:最優先希望枠の落選年数)がなくても気に入った馬に年1頭は確実に出資したいと思っているので、×なしの状態で最優先希望枠を使い、無抽選で出資できる馬を正しく推理できるかが重要なポイントになる。

この推理には最終中間発表の票数が重要であり、私は総申込数が多い順に各馬に労をいとわず順位をつけている。なお地方馬については100口募集なので総申込数を4倍する。そしてここ数年の経験則から、総申込数25位以内の馬は最優先でも抽選になるリスクが高いが、26位以下であれば×なし最優先でほぼ無抽選で出資できるという法則を使っている。

この法則から、上記8頭のうち、6位のブランシェクール21、8位のレーヴドゥラメール21は最優先抽選のリスクが高いと見て除外した。そこで最優先候補は残り6頭だが、できれば無抽選で確実に出資できる代金が基準内の牡馬を指名したい。そこで残ったのはスプリングゲイル21とアピール2の21の2頭だが、アピール2の21は動画の歩きが少しよれているように見え、33位スプリングゲイル21なら×なし最優先無抽選で取れると読んで最優先に指名、残り7頭を一般抽選で応募した。

結果は、スプリングゲイル21を読み通り×なし最優先無抽選で獲得。他アピール2の21、ラプソディーア21、エスティタート21の3頭も一般抽選で出資でき、計4頭獲得の満足のドラフトだった。

ちなみに6位の母馬優先馬【当該馬の母馬出資者用の優先抽選枠】ブランシェクール21は×なし最優先抽選で読み通り、8位の非母馬優先馬レーヴドゥラメール21は推理より緩く一般抽選という結果だった。これを見ても分かる通り、やはり一般枠が200口しかない母馬優先馬の方が抽選が厳しい傾向にある。過去にも良血の母馬優先馬は、総申込数順位が26位以下でも最優先抽選になった例がいくつかあった。

今年に関しては順位25位内でも×なし最優先無抽選で取れた馬は、母馬優先馬では1頭だけだったが、非母馬優先馬では8頭もいた。母馬優先馬バウンスシャッセ21も最終中間発表で名前が出なかったので、もしかしたら出資できるかもと期待したが、やはり一般抽選になり落選してしまった。

キャロットクラブでは×がないといい馬が取れないとか、抽選では全く当たらない、10頭以上応募して1頭しか取れなかったとかいう話をよく聞くが、それは人気馬ばかりに応募した時の話だと思う。

だが代金同様、人気も馬の能力とはほとんど関係がない。人気が高い馬が活躍するとは限らず、高額人気馬の未勝利引退例を数多く見かける。一方、エフフォーリアもレイパパレもヴェラアズールも、最終中間発表では名前すら出ず、×なし最優先無抽選で会員ならどなたでも取れる人気薄の馬だった。

一口馬主も馬券同様、高額人気馬より人気薄の安い馬で当てた方が、やりがいや喜びも大きいと思う。私の今年の応募8頭も人気ベスト10内が2頭の他は、全て人気30位以下の馬で、最終中間発表で名前が出なかった馬も2頭、出資できた馬は全て2600万円以下の馬。自分が安い穴馬狙いのタイプだと改めて痛感した。

自分の欲しい馬を取るためにも、安い名馬を狙うためにも、人気には左右されず、あなた自身の相馬眼での穴馬狙いを是非お勧めする。