31日付で浦和の牛房栄吉調教師(75)が引退する。23日現在で地方通算5009戦291勝。「この社会で(仕事が)できたというのは本当に幸せだったですね」。95年羽田盃などヒカリルーファスで重賞3勝。今日24日の浦和4Rカラドボルグが最後の予定だ。

群馬県出身。浦和の宮本騎手と縁のあった親戚から話があり、騎手になったという。67年5月9日に初騎乗。87年3月31日の調教師転身までに地方通算5883戦536勝を挙げた。初重賞制覇はダーリンググラスを勝利に導いた84年川崎記念。「デビュー2戦と、最後の方に何回か乗せてもらって。(川崎記念が)一番の思い出です」。地方馬として初めてジャパンCに参戦(83年10着)した浦和の名馬の新馬戦と初勝利に騎乗。その後は手を離れていたが、ジャパンCの次走から5戦の手綱が回ってきた。「騎手時代もよかったですよ」と懐かしむ。

昨年10月に娘で元騎手の由美子師(現姓入口)が厩舎を開業。後を継ぐ。「定年になるから、なるべく早く調教師になってくれればよかったんだけど。運よく半年前に開業できたから安心ですよ」。引退後は「半年ぐらいぶらぶらしようかな」と笑った。【牛山基康】