先月から年をまたいで目にしてきたブルーバードCのポスターやCM。そこには昨年8月に48歳の若さで急逝した左海誠二元騎手が鞍上のゴール写真が使われていた。今年1月の南関東4競馬場カレンダーにも前回の覇者として登場。「全日本的なダート競走の体系整備」によって今年から重賞に再格上げされたブルーバードCは4月から1月に移動となり、昨年中の実施がなく、前回は一昨年4月に行われた南関東限定の準重賞。左海騎手を背にロマンスグレーが逃げ切った。

前回から1年9カ月ほど間が空いたとはいえ、もうこの世にはいないというのが信じられない。一昨年の暮れに調教師となり、それから約半年後の昨年5月に厩舎を開業。グレーの厩舎メンコが走り出したばかりでの訃報に言葉を失った。

そのメンコは厩舎の解散後も走り続けている。元管理馬のプラズマ(牡3、林正)は前走の平和賞に続いて今開催も着用していた。主戦騎手を務めたヒーローコール(牡4、小久保)も前走の浦和記念から着用。小久保師に聞くと「あいつにはずっと乗っていてもらいたいから…」。関係者の思いを乗せた走りを見守りたい。【牛山基康】