10月6日(日曜)に行われる第103回のG1凱旋門賞(芝2400メートル、パリロンシャン)に連なるトライアルが終了。前売りオッズにも変化が見えてきました。
英国主要ブックメーカーによる凱旋門賞の前売オッズ(9月19日現在)は、G2ニエル賞に勝ったソシエ(牡3、A・ファーブル、父シーザスターズ)が4・0倍から5・5倍で1番人気に浮上。3着に敗れたルックドゥヴェガ(牡3、C&Y・レルネール、父ロペデヴェガ)は6・0倍から7・5倍の2番人気に後退しました。G1愛チャンピオンSで3着好走のシンエンペラー(牡3、矢作、父シユーニ)と同4着のロスアンゼルス(牡3、A・オブライエン、父キャメロット)が7・0倍から9・0倍で並び、ニエル賞で2着したデリアス(牡3、J・ルジェ、父フランケル)は9・0倍から11・0倍。G1ベルリン大賞の勝ち馬で武豊騎手で参戦予定のアルリファー(牡4、J・オブライエン、父ウートンバセット)が9・5倍から13・0倍、G1ヴェルメイユ賞の勝ち馬で出否未定のブルーストッキング(牝4、R・ベケット、父キャメロット)は8・0倍から13・0倍、ブルーストッキングの2着に食い下がったアバンチュール(牝3、C・フェルラン、父シーザスターズ)が17・0倍で続き、G1愛セントレジャーで通算7度目のG1制覇を飾り、急きょ参戦の可能性が報じられている長距離王キプリオス(牡6、A・オブライエン、父ガリレオ)21・0倍から41・0倍となっています。
前哨戦で大きく株をあげたソシエは、凱旋門賞馬ソレミアで日本のファンにもおなじみのヴェルトハイマー兄弟の生産所有馬。血統は父が凱旋門賞までG1を6連勝(通算9戦8勝)して全欧年度代表馬に輝いたシーザスターズ、母はドイツ産馬のソジア(その父シャマーダル)。ソシエの母系からはG1独ダービーなど独、伊でG1に5勝したスキアパレリ、G1独ダービーやG1バーデン大賞を制して種牡馬になったザムーム、その全妹でG1独オークスに優勝、G1独ダービーで2着したサルヴェレジーナ、それに独ダービー馬で、種牡馬として活躍中のシーザムーンなどの名馬が現れています。シーザスターズの産駒はタグルーダが凱旋門賞3着、クロスオブスターズが2着、シーオブクラスが2着と、勝てないまでも、それなりの実績を残しています。
凱旋門賞で最多の8勝を挙げるアンドレ・ファーブル厩舎に所属するソシエは2歳時に2戦1勝。今年の初戦となった4月25日の一般戦に優勝。4番人気で臨んだG1仏ダービーは、勝負どころで馬ごみをさばくのに手間取り、勝ったルックドヴェガから2馬身4分の1差の3着に終わりましたが、仕切り直して出走した7月13日(土曜)のG1パリ大賞は、道中4番手を追走し、直線入り口からロングスパートを決めて優勝。ロンシャンは3戦全勝と好相性を明らかにしています。
近年のニエル賞優勝馬の凱旋門賞の成績(4着以内)は19年ソットサスが3着(翌年の凱旋門賞に優勝)、15年ニューベイが3着、13年キズナが4着、10年ベーカバドが4着、09年キャヴァルリーマンが4着で、06年の凱旋門賞を制したレイルリンクを最後に17連敗中ですが、長く良い脚を使えるこの馬なら、やれそうな気もします。一方、3着に敗れたルックドヴェガですが、敗因はこれまでの3戦とは異なる乾き気味の馬場(発表は重)と展開に加え、距離の可能性も囁かれています。少なくとも昨年のエースインパクトほどの信頼性はなさそうです。
ブックメーカーの評価はさほど上がりませんでしたが、G1愛チャンピオンSで3着に追い上げたシンエンペラーも争覇圏内に入ってきました。直線で包まれながら外に持ち出して、愛ダービー馬のロスアンゼルスをアタマ差おさえた内容は及第点以上。当日が楽しみになりました。
G1ヴェルメイユ賞を快勝したブルーストッキングも評価を上げた一頭です。直線早めに先頭に立って後続を完封。持続力のある末脚を披露してロッサ・ライアン騎手とともに2度目のG1勝ちを飾りました。父は英2000ギニー、英、愛の両ダービーなど4つのG1を制したキャメロット、近親にG1ケンタッキーダービー馬のマンダルーンがいて、かしわ記念を2年連続で2着するタガノビューティーやNHKマイルカップで2着したタガノブルグなども同じファミリーです。
ブルーストッキングは凱旋門賞未登録ですが、ラルフ・ベケット調教師は追加登録して参戦を選択肢のひとつに挙げていて、その動向が注目されています。(ターフライター奥野庸介)
※競走成績等は2024年9月19日現在



