23年最初のJRA・G1フェブラリーS(ダート1600メートル、19日=東京)にカナダ所属馬のシャールズスパイト(牡6、アトフィールド)が海外馬として初参戦する。

同馬は昨年のBCマイル2着馬で、9日の来日後は東京競馬場内の国際厩舎で調整中。16日朝の調教後、同馬を管理するロジャー・アトフィールド師(83)が東京競馬場で共同会見に臨んだ。参戦の経緯、長距離輸送後の体調、2戦0勝のダート適性など、通訳をまじえてじっくりと語った。一問一答は以下の通り。

-日本到着後の状態

アトフィールド師 大変落ち着いている。日本に到着するまでの輸送時間は60時間に及ぶものだった。私たちも驚くくらい、常にカイ食いも良く、飛行機内でも日本到着後もよく食べている。完食しているので、体重減もごくわずかだった。レースに向けて、大変前向きであると考えている。

-日本での調教の動きを見てどのような印象を受けたか

アトフィールド師 大変いい状態にあると思う。馬も幸せな気分でいると思う。私としてはダートの馬場が砂ベースで深いということを心配していた。というのも、シャールズスパイトはアメリカでは基本的に芝馬として走っている。しかし、日本の馬場にもうまく対応していると考えている。今朝の調教を見たが、芝からダートへと移行していったところもうまく対応していた。ゲート審査もうまくいき、私としてはこれ以上はないレベルにあるのかなと思う。

-フェブラリーS参戦の経緯

アトフィールド師 馬主の考えがあり、彼はかなり頑固にダートで走らせたいという思いを抱いていた。私はダートについては懸念はあった。過去に2戦していたが、着順としてもすばらしいとはいえないレースだったので。今回、来日後も調教助手から日本のダートは深いと聞いていたが、実際のゲート審査で2、3ハロン走らせてみて、そこでの対応が良かったので、私としては幸運を祈るしかない。

-東京競馬場のダートへの適性は

アトフィールド師 今までもフロリダのトレーニングセンターで調教を行っていて、そこではダートの馬場で調教をしてきた。フロリダも深い馬場ではあるけど、予想以上にうまく対応してきた。多様性のある馬。大体、なんでもこなせる側面はある。調教のビデオや今朝の馬場での様子を見たが、馬場の扱いがうまく、順応していると思う。真の能力を発揮できれば、優位になると思う。ただ、そこは私にとっても未知。

-一番のストロングポイントは

アトフィールド師 メンタルに落ち着きのある馬。また、末脚に強みがある。もし、馬場にうまく対応できれば希望が見えてくる。強豪にも優位な立場になれる、と。ダートなので、末脚を生かし切って強い追い込みができるかというところだが、全ての環境にうまく順応してきた。競馬場の施設もすばらしく、みなさんに大変良くしていただいた。私としても感謝の意を表したい。

-モレイラ騎手について

アトフィールド師 すばらしい騎手だと思う。日本でもかなり騎乗していると聞いている。日本の馬場にもなじみがあるので期待はある。優秀な騎手で馬場を知っているので、ベストを尽くしてくれると思う。

-枠順について

アトフィールド師 芝からダートに行くコースの構成を間近に見て、実際はどういう枠順が理想なのかわからないでいる。外枠の方が芝を走る距離は長いが、ストライド数はそこまで変わらないと思う。いずれにせよ、枠順は私たちでコントロールして決められるものではないので。ダートの経験が少ないので、砂をかぶることをあまり経験したことがないので、長い直線を考えると外枠の方がいいのかな、と思う。

-フェブラリーS後の予定

アトフィールド師 この後はドバイターフに出走することになっている。これはオーナーの意向。ただ、私としては今回のフェブラリーSでかなり疲れが出るし、輸送に関しても疲れが出ると思うので、馬にとっては厳しいかなと思う。あと、暑いのがこの馬は好きではない。日本は寒いので、馬にとってはこちらに来る方が楽だと思う。まずはフェブラリーSでどうなるか。その後になると思う。

-昨年11月のBCマイル2着以来の競馬。来日後は速い時計を出していない

アトフィールド師 フロリダで今回のレースに向けてかなり強い調教を重ねてきた。輸送前日も強い調教をした。輸送が長時間に渡るということで、それ以上はあまりやりたくなかった。日本に来てからは強く追うことはない。馬体は締まっているし、フロリダで充実した調整ができた。先日、ゲートから出て大体400メートルくらいを23秒台で出しているので、それ以上は控えようと思っている。長旅をした馬で、これ以上追ってもいいことはないと思う。