体も心も勝利に向けて研ぎ澄ます。JRA現役最年長の柴田善臣騎手(56)が中山牝馬S(G3、芝1800メートル、11日=中山)で17年11月25日以来、約5年3カ月ぶりに重量51キロの馬に騎乗する。

コンビを組むのはクロスマジェスティ(牝4、水野)。「週の始めから憂鬱(ゆううつ)だよ」と笑うが、任された仕事に全力投球を誓った。

毎週金曜に調整ルームへ入り、週末の勝負に備える。39年目のルーティン。経験と節制が体重計いらずの生活を可能にさせる。「普段は(体重計に)乗らないなあ。土曜の朝とかにちょろっと確認するくらい。いつも一定の体重は維持できている。でも、減量といっても普通の人の1キロとは違うから。そうね、グラム単位。食べない、飲まないくらいは我慢できるから、今回も前日に少し調整すれば乗れる」。

97~12年にかけては15年近く、51キロ以下での騎乗は控えていた。過去10年でも騎乗6回と少ないながら、その中には15年ダイヤモンドSの51キロカムフィー3着(8番人気)がある。今回の相棒、クロスマジェスティにも一発の期待を託す。「クラスは1つ下だけど、牝馬のハンデG3で頑張ってほしいよね。気分ひとつのところがある馬。リズムをうまく乗せてあげればだね」。JRA最年長重賞V記録更新もかかる一戦。匠(たくみ)の手綱さばきに注目だ。【松田直樹】