JRA競馬学校騎手課程第42期生の入学式が4日、千葉県白井市の競馬学校で行われた。応募者総数192人から倍率27・4倍の試験を通過した男子5人、女子2人の計7人が出席した。

出席者は五十嵐ひなさん(15)、石川稜久君(りく=15)、富永龍斗君(16)、西村瑠華さん(15)、林秀真君(16)、広野温輝君(はるき=15)、山田匠悟君(18)。26年3月のデビューを目指して、訓練に励む。

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父の背中を追って、憧れの舞台のスタート地点に立った。五十嵐ひなさんは「楽しみな気持ちもありますが、不安な気持ちもあります。これからたくさん学んでいきたいと思います」と緊張の面持ちで語った。父は今年、ホッカイドウ競馬に厩舎を構えた五十嵐冬樹師。元騎手として地方2479勝、JRA58勝を挙げた。道営のトップジョッキーの2世として、JRAの門をたたいた。

向上心の塊だ。自らを「負けず嫌い」と称した。誰から促されたわけでもなく、小学生に上がる前から馬の背中を知り、常に勝ち負けにこだわったという。冬樹師は「乗馬大会で負けたら、涙を流していたりしましたから。負けず嫌いは僕よりきついかも」と笑う。これから待つのは厳しい訓練生活。ひなさんは「向上心を持ち、何事にも積極的に挑戦していきたいです。壁にぶつかった際は初心に戻り、やるべきことを理解し、また向上心を持ち、挑戦し続けることが大事だと思います」と覚悟を示した。

勝ちたいレースには皐月賞を挙げた。04年、父がコスモバルクと挑み、惜しくも2着に敗れたレースだ。まだ生まれる前のこと。父は「VTRで見たんでしょうね」と娘の思いに胸を熱くした。馬上での振る舞い、フォームには自身を重ねる。「まずは無事に卒業してもらえたら。技術を求めて、上を狙ってほしいね。乗り方、馬に気合を入れている格好とかは僕に似ている」(冬樹師)。

デビューは3年後。ひなさんは「努力をし、感謝の気持ちを忘れず、父のようにしっかり成績を収め、周りから信頼される騎手、そしてフェアプレー賞を獲得できるような騎手になりたいです」と抱負を語った。