5番人気のオオバンブルマイ(牡、吉村)がゴール寸前でセッション(牡、斉藤崇)をとらえて、重賞2勝目を挙げた。強烈なラストスパートで勝利に導いた武豊騎手(54)はアーリントンC通算7勝目。次走は5月7日東京のNHKマイルC(G1、芝1600メートル)。3歳世代のチャンピオンマイラーを目指す。

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直線に向いても赤と白の勝負服はもたついていた。「5着か6着、掲示板も危ないと思った」と吉村師は悲観していた。

だが、ラスト1ハロン手前で外に持ち出されると、オオバンブルマイは一変する。「ギアが入った。これなら届くと思った」。武豊騎手の感触通り、ゴール寸前で差し切った。「この世代のマイル路線でトップクラスの馬。G1でもチャンスはあると思う」と、力を認めた。

課題は多い。吉村師が「顔が子供」というように、まだ幼さを残す。鞍上も「道中の位置取りは良かったけど、行きっぷりは良くなかった。ちゅうちょしながら走っていた」と振り返る。そんな現状で通算4戦3勝、そのうち重賞で2勝。相当なポテンシャルを秘めているのだろう。「これから良くなってくると思う」と、師も今後のさらなる成長を楽しみにする。

NHKマイルCの舞台となる東京では、昨年に京王杯2歳Sを制している。「この馬にはレースがしやすい」と師。今度はG1で強烈な末脚を見せるか。【岡本光男】

◆オオバンブルマイ▽父 ディスクリートキャット▽母 ピンクガーベラ(ディープインパクト)▽牡3▽馬主 岡浩二▽調教師 吉村圭司(栗東)▽生産者 (株)サンデーヒルズ(北海道新ひだか町)▽戦績 4戦3勝▽総収得賞金 8628万8000円▽主な勝ち鞍 22年京王杯2歳S(G2)▽馬名の由来 大盤振る舞い。ファンに配当金を盛大に振る舞えるように