昨年の覇者メイショウハリオ(牡6、岡田)が直線の大接戦を制して、レース史上初の2連覇を達成した。

かしわ記念に続く連勝でG1・3勝目。4角で外から進出し、大井の長い直線で末脚を伸ばした。勝ち時計は2分1秒9。一昨年の勝ち馬テーオーケインズ、昨年のJDDを制したノットゥルノなどの強豪をねじ伏せ、正真正銘の帝王の座を手にした。今後は休養し、秋は国内、海外を両にらみする構えだ。

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開催46回目で史上初の連覇の快挙を、際どい勝負で制した。昨年の覇者メイショウハリオが外から渾身(こんしん)の末脚をさく裂させる。最内にクラウンプライド、その隣に一昨年の勝ち馬テーオーケインズの実力馬が粘っているところを、ゴール前で差し切った。2着と鼻差。会心の騎乗をした浜中騎手は「ゴールまでどっちが勝ったか分からなかったけど、よく頑張ってくれました」。電光掲示板の1着に4番の文字がともると両手を上げて勝利の味を堪能した。

前走はマイルのかしわ記念を制し、今回は帝王賞連覇を飾る充実ぶり。地方で無類の強さを発揮する管理馬に岡田師は「まずは休養。今後は中央のG1を目指していきたいという気持ちが強いが、来年には海外G1も挑戦したいので、輸送を試すためにコリアCも予備登録しています」と展望を明かす。韓国のコリアC(G3、ダート1800メートル、9月10日=ソウル)、11月3日にはJBCが大井で開催され、地の利を生かせるJBCクラシック(Jpn1、ダート2000メートル)と秋には番組がそろう。充実期を迎えたメイショウハリオの視界をさえぎるものは何もない。【舟元祐二】

 

◆メイショウハリオ ▽父 パイロ▽母 メイショウオウヒ(マンハッタンカフェ)▽牡6▽馬主 松本好雄▽調教師 岡田稲男(栗東)▽生産者 三嶋牧場(北海道浦河町)▽戦績 22戦9勝(うち地方5戦3勝)▽総収得賞金 4億5130万5000円(同2億6500万円)▽主な勝ち鞍 21年みやこS(G3)、22年マーチS(G3)、帝王賞(Jpn1)、23年かしわ記念(Jpn1)▽馬名の由来 冠名+世界一速いハリオアマツバメより

 

<クラウンプライド=2着>川田騎手 最後までいい内容で走り切ってくれて、着差が着差だけに勝たせてあげたかったですが、強い馬3頭で勝った馬が今日は一番運を持っていたなというところですね。

<テーオーケインズ=3着>松山騎手 馬は十分動ける状態でした。ゲートでトモを滑らせ、スローで持ち味が生きなくて。

<ハギノアレグリアス=4着>岩田望騎手 道中いい雰囲気で走れて折り合いもつきました。自分から動いていく競馬。キャリアが浅いし、ナイターでこれだけ走ってくれた。

<プロミストウォリア=5着>鮫島駿騎手 スムーズに先手を取れて、いいペースで行けたけど、思ったより上位に離された。距離も現時点では長いかなという止まり方でした。

<ライトウォーリア=6着>吉原騎手 理想的な展開。コーナーの反応が悪いので、早めに自分から動いて4コーナーで夢を見ました。一瞬で抜かれたけど、よく走ってくれました。

<ジュンライトボルト=7着>石川騎手 進みがもうひとつでした。完調にはもう少しかかるのかな。

<ノットゥルノ=8着>武豊騎手 手応えは良かったけど、もしかしたら距離が長いかもしれないですね。

<ミヤギザオウ=9着>今野騎手 それなりには力をつけているけど、相手も強いからね。馬は良くなっていますよ。