“夏コク”最終週のメインは小倉2歳S(G3、芝1200メートル、9月3日)が行われる。アスクワンタイム(牡、梅田)は小倉の6ハロンが大好きな血統。全兄&全姉はともに、同舞台の小倉芝1200メートル重賞を制している。アスクワンタイムも非凡な内容で未勝利戦を勝ち上がった。全兄ファンタジストに続く小倉2歳S兄弟制覇が視野に入る。

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実にわかりやすい血統だ。アスクワンタイムの全兄は18年の当レースを制したファンタジスト。4つ上の全姉ボンボヤージは昨年の北九州記念を優勝。小倉の芝6ハロン戦に抜群の適性を見せている。

「きょうだいに共通しているのはスピードと器用さがあることですね。だから小倉は走るんです」と説明してくれるのは前原助手。小回りでもコーナーで減速しない立ち回りで小倉を制してきた。アスクワンタイムは中京デビューで小倉未経験。それも心配ご無用。「乗り味はお兄ちゃん(ファンタジスト)に似ていて成長力もありますよ」と十分な適性を感じ取っている。新馬戦2着は「まだ芯が入っていませんでした。能力だけで走ってくれました」。ひとたたきされた2戦目で走りが一変。2着に5馬身差の圧勝で、素質の片りんをのぞかせた。

勝ったあとは短期放牧へ。帰厩したときはノンビリしていたというが、これもきょうだい共通でオンとオフはしっかりしている。「先週ビシッと追われて競馬が近いとわかって少しスイッチが入ってきました。担当の方もぐんと良くなったと言ってました」と戦闘モードに切り替わっている。最終追い切りでさらにスイッチが入れば準備は完了。スピードと器用さを生かした小倉仕様の走りで小倉2歳S兄弟制覇を目指す。

◆アスクワンタイムのきょうだい 母ディープインアスクは現役時10戦未勝利だったが、繁殖馬としては優秀。初子コロラトゥーレがJRA5勝でオープン馬に。3、4番目がファンタジスト、ボンボヤージ。5番目のアスクビギンアゲンは現2勝クラス。