ラストクラシック出走へ。来年2月末に定年を迎える河内洋調教師(68)が、ウォーターリヒト(牡)で、きさらぎ賞制覇を狙う。

「なかなか出走できない舞台だし、行きたいね。クラシックの中でもダービーは特別。この馬と一緒に、という気持ちは強いよ」

騎手時代は名手とうたわれ、メジロラモーヌで牝馬3冠を達成。牡馬クラシック3冠も1度ずつ制覇した。念願のダービーを00年にアグネスフライトで制した直後、右腕を伸ばして声援に応えるシーンは、今も多くのファンの心に残っていることだろう。

「ダービーは出られるだけでもすごいのに、勝てたからね。本当にうれしかった。もちろん全部のレースを勝ちたいけど、『ダービー』というのは、やっぱり意識はしてしまうもの。それは騎手でも調教師でも一緒なんだよな」

これまで、管理馬では皐月賞に1度、菊花賞に2度挑んでいるが、ダービーへの出走経験はない。ラストチャンスとなる今年、夢を託すのがウォーターリヒトだ。前走シンザン記念は最後方から追い込み3着。能力は高い。「使うごとに良くなっている。距離も2400メートルまでは持つと思うから、ダービー出走のためにもここでなんとか賞金を加算したい」。夢舞台へつながる激走を期待している。【藤本真育】