木村厩舎&ルメールタッグで新たな伝説の幕開けだ-。3番人気のパントルナイーフ(牡、木村、父キズナ)が頭差の接戦を制し、初の重賞タイトルをつかんだ。勝ちタイムは1分46秒0。

管理する木村哲也師(53)、ルメール騎手ともに、21年イクイノックス以来2度目の同レース制覇。世界NO・1ホースに輝いた名馬と同じ出世レースを制し、来年のクラシック候補に名乗りを上げた。

   ◇   ◇   ◇

ストライドを目いっぱい伸ばし、先頭に迫るルメール騎手とパントルナイーフが府中の西日で輝いた。残り200メートル、右ステッキで鼓舞されると瞬く間にスイッチが入った。トップスピードをゴールまで持続させ、迫り来る2着ゾロアストロの強襲を頭差しのいだ。

パンプアップした好馬体は512キロにまで成長。恵まれた馬格をフルに生かしたダイナミックなフットワークは素質馬ぞろいの中でも際立っていた。「リラックスして走れていたし、坂を上がってからも手応えが良かった。フルスピードをお願いしたら、さらにギアアップしてくれました。ゴールまでよく頑張ってくれました。いい馬ですね」。幾多の名馬をG1勝ちに導いた鞍上もポテンシャルを再認識し、自信を深めた。

木村厩舎、鞍上のコンビでは21年イクイノックスでの東スポ杯制覇が記憶に新しい。同馬はその後クラシックでも存在感を示すと、国内外G1を6連勝し、世界最強馬の称号を手にした。出世レース制覇にも師は「どのレースも勝つのは大変です。返し馬が良かったし、いい状態だとみていました。勝てて良かったです」と冷静に受け止め安堵(あんど)した。「頑張ってくれたので無事を確認してから」と今後を見据えた。

登竜門を超え、今後は暮れの2歳G1、さらには来年のクラシックが視野に入った。ルメール騎手も「デビュー戦からレースごとに強くなっています。まだ良くなりそうだし、いい未来があると思う。重賞を勝ったので目標はG1になる。無事ならトップレベルで走れます」と将来性に太鼓判を押した。かつての看板馬も果たせなかったクラシック制覇へ。スターホースへの第1歩を踏み出し、これから大きな背中を追う。【井上力心】

◆パントルナイーフ ▽父 キズナ▽母 アールブリュット(マクフィ)▽牡2▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 木村哲也(美浦)▽生産者 新冠橋本牧場(北海道新冠町)▽戦績 3戦2勝▽総収得賞金 4704万1000円▽馬名の由来 素朴派(仏)。近代アートのジャンル。母名より連想