近藤酒造/五泉市
「新潟県生まれの越淡麗を使い、オール新潟を目指していきたい」という8代目の近藤伸一社長

 「菅名(すがな)岳 寒九の水くみ」まであと34日。寒の入りから9日目の寒九は寒さがことのほか厳しく、1年で一番水が澄む日ともいわれることから、名峰・菅名岳山中の「どっぱら清水」の水を参加者がくみに行き、その水で酒が仕込まれる。来年で26回を数える歴史あるイベントだ。極寒の雪山をタンクを背負って歩き、くんできた水で仕込んだ「菅名岳 生原酒」が、数カ月後に参加者の元に届く。

 「菅名岳」の蔵元、近藤酒造(五泉市)の今回の1本は、このシリーズのニューフェース。14年9月9日に発売された「菅名岳 特別純米酒 九 CUE」だ。蔵人が栽培する越淡麗を100%使った、「菅名岳」では初めての純米酒となる。5月と11月に年2回発売されるが、現在販売されているのは11月発売の熟成タイプ。「越淡麗のふくらみのある味わいと軽やかさをともに楽しめる純米酒です」と近藤伸一社長。「九」の字は「寒九」から。酒の企画やラベルデザインなどは、水くみを主催する酒販店グループ「越後泉山会」が中心となって行った。

 92年に、蔵元がいい仕込み水を探していたとき、蔵人6人と酒店2人で寒九の日にどっぱら清水をくんできて、試しに酒を仕込んだ。その酒が素晴らしかったため商品化し、「菅名岳」の銘柄と「越後泉山会」が誕生。当初は会員と蔵元だけで水をくんでいたが、地元紙の支局長が公募を提案し紙面募集したのが、一般参加イベントとなるきっかけだった。

 公募初回は80人の参加者だったが、現在では県内外から約300人が参加する大イベントとなった。来年1月13日開催の第26回は現在募集中。自らがくんだ水が酒になる喜びを味わってみては。問い合わせは近藤酒造内の越後泉山会事務局へ。

[2016年12月10日付 日刊スポーツ新潟版掲載]