2回裏巨人1死二塁、田中俊の打球をはじく一塁手マルテ(撮影・前田充)
2回裏巨人1死二塁、田中俊の打球をはじく一塁手マルテ(撮影・前田充)

阪神はまたしても巨人に敗れた。今季の対巨人はこれが15敗目(6勝)で、敵地の東京ドームでは9敗目だった。

梨田 今シーズンの阪神を象徴するような1敗だったね。巨人が堅い守りをみせたのに対し、阪神はひどいものだった。終盤に1点差に追いついたが、負けるべくして負けている。9年連続で巨人に負け越した敗因はいろいろあるだろうが、守備力の差で雌雄を決した。

先発西勇が2回に丸のソロ本塁打で先取点を許すと、直後にマルテがアンビリーバブルな1イニング3失策。5回は再びマルテのファンブル、梅野の悪送球が失点に絡んだ。

梨田 なんと言っていいか、とても評論のしにくいエラーばかりだった。巨人から3勝している西勇もゲームを作りようがなかった。一方で巨人は3回に熊谷の三遊間寄りの強襲ゴロを岡本が好捕すると、膝を突いたまま一塁送球でアウトにした。8回中谷の左邪飛は若林の好守だ。特に岡本のプレーはうならせた。何を言いたいかというと、今年の巨人は岡本を三塁に固定して成長させたことだ。

3回表阪神無死、熊谷の打球で好守を見せる三塁手岡本(撮影・前田充)
3回表阪神無死、熊谷の打球で好守を見せる三塁手岡本(撮影・前田充)

昨季の岡本は一塁、三塁、左翼を守ったが、今シーズンはすべて三塁で出場してきた。また阪神大山は一塁、三塁、左翼、右翼と4つのポジションでプレーしている。

梨田 岡本がフィールディングでも腕を上げているのは三塁に固定したことも大きい。巨人坂本、丸がそうであるように、主力については固定すべきだろう。あえて言うならマルテの失策も一、三塁をやっていることの関連性を感じるプレーだった。外国人との絡みもあるだろうが、阪神は大山に4番を任せるのなら三塁に固定したい。そうしないとせっかくの打撃にも影響してくる。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

4回表阪神1死、マルテ(手前)が左越え本塁打を放つも、厳しい表情で見つめる矢野監督(中央)(撮影・浅見桂子)
4回表阪神1死、マルテ(手前)が左越え本塁打を放つも、厳しい表情で見つめる矢野監督(中央)(撮影・浅見桂子)